――端末の性能が決まっている家庭用ゲームと違い、時代とともに進化し続けるスマホゲームならではの課題ですね。こうした苦労のかいもあってか、実際のCygamesのゲーム作品を見ると、リリース当初よりもそのあとにユーザー数を伸ばし続けている作品ばかりです。
特に当社ではオリジナル作品が多いので、リリース前の話題性よりも、リリース後にいかにして話題を広めていくかを大事にしています。既にアニメ化もされているような、既存の作品のゲーム化であればリリース前から多くの人に興味を持ってもらえますが、こうした下積みがないオリジナル作品だとそうはいきません。リリース後もどんどん内容を良くしていって、より多くのユーザーに関心を持ってもらえるようにしなければなりません。
ただ、他社のIPをベースにしたものでも、こうしたブラッシュアップは抜かりなくやっています。共通していえるのは、「コンテンツをIPとして育てていく」という考え方を重視していることで、その考え方に沿う形で運用していますね。
――やはり、自社コンテンツをIPとして育てていく戦略があるのですね。
そうですね。当社はまだまだ新しい会社でIPを増やしていきたいので、そういう狙いはあります。ゲームだけでなく、アニメのメディアミックスにおいても同じことが言えます。やはりそれぐらいの覚悟を持ってやらないと、ユーザーの皆さんに楽しんでもらえないと思いますね。
――Cygamesでは、「グランブルーファンタジー(グラブル)」のキャラクターを「プリンセスコネクト!Re:Dive(プリコネ)」に登場させたり、「シャドウバース」に「グラブル」や「プリコネ」のキャラを登場させたりと、社内タイトル間のコラボも精力的に展開しています。ビジネス上の相乗効果は生まれているのでしょうか。
実際にかなり生まれています。基本的にユーザーはゲームタイトルごとのファンなのですが、相互でコラボすることによって、さらなる盛り上がりを起こせます。また長期的に見て、相乗効果によってCygames全体のファンになってもらえる可能性も期待できます。他のCygamesのゲームも遊んでもらえると、「またあの会社のゲームが出るからやってみようかな」と思ってもらえることも少なくないのです。
――作品間の垣根を越えて、会社そのもののファンになってもらえる期待ができるわけですね。
そうですね。当社はまだ若い会社ですので、そういう戦略も重要だと考えています。やはり、一つ一つの作品から会社全体のファンになってくれると非常にありがたいですね。
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