ビットコイン連動でポイント増加は税金かからず? 楽天ポイントで擬似投資開始

» 2021年03月19日 11時05分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 楽天は3月18日から、楽天ポイントを使ってビットコインへの疑似投資ができるサービス「ポイントビットコインby楽天PointClub」を開始した。設定したポイントが、ビットコイン価格に連動して増減するサービス。通常ポイントが対象で、100ポイントから取引でき、1ポイント単位で引き出せるようになっている。

「ポイントビットコインby楽天PointClub」1月から一部のユーザーにベータ版提供していたサービスを、一般公開した

 楽天は子会社の仮想通貨取引所楽天ウォレットにて、楽天ポイントを使ってビットコインなどの仮想通貨を購入できるサービスを2019年末から提供している。それとの違いは、ポイントビットコインはあくまで疑似投資であり、実際のビットコインを購入しているわけではない点だ。

 「楽天ポイントを楽しく活用する方法を拡大したい。ビットコインを購入するわけではないので、手軽に投資体験をして投資や資産運用への理解を深めてもらうのが目的」(楽天広報)

 ポイントビットコインでは疑似投資できる最大額は3万ポイントとしている。ただしビットコイン価格の上昇によって増加した場合の上限はない。

株式などに連動してポイントが増減する疑似投資が増加

 株式やビットコインなどに連動してポイントが増減するサービスが増加している。楽天PointClubでは、投資信託の価格に連動するポイント疑似運用サービスの利用者が300万人を突破。PayPayが提供するポイント、PayPayボーナスが投資信託に連動して増減するサービスも200万人以上が利用中だ。

 またSTOCK POINT(東京都港区)はビットコイン価格に連動して、「.money」や「永久不滅ポイント」などが増減するサービスを19年3月から提供している。

STOCK POINTは、ポイントがビットコイン価格に連動して増減するサービスを提供中

ビットコイン連動でポイント増加は税金かからず?

 ビットコインなど仮想通貨に対する税制は、給与所得などと合算して計算する総合課税となっており、最大55%にものぼる税率が、投資普及の1つのネックになっていた。しかしポイントビットコインでは、仮にビットコイン価格の上昇に伴い楽天ポイントが増加しても、増加分の利益に対する税金の扱いは、通常の仮想通貨への投資とは異なる。

 ポイントに連動した疑似投資の税金の取り扱いについては、現在国税局から一律の指針が出ていない状況だ。楽天も国税局の相談センターでも、税務署に個別に相談してほしいとしている。

 都内のある税務署に確認したところ、「そうしたサービスでポイントが増減しても確定していないので税金はかからない。ただしポイントを使ってモノやサービスを購入する際には、利用した分を一時所得として計算する必要がある」という回答だった。

 2月にはeワラント証券が、ビットコイン先物に連動したリンク債を提供することで、20.315%の分離課税を実現した。いずれも実態としてはビットコイン価格に連動して増減するのは変わりないが、現状、商品の作り方で実質的に税金が変化する形になってきている。

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