コロナ禍でも「横丁」は大繁盛 昼から酒を楽しむ人が殺到する理由とは長浜淳之介のトレンドアンテナ(7/8 ページ)

» 2021年03月29日 11時42分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

苦戦する横丁も

 新規オープンが続き、勢いに乗る横丁だが、全ての施設がうまくいくわけではない。

 有楽町と新橋の両駅間のJR高架下を再開発した「日比谷オクロジ」は、路地をイメージした横丁型の商業施設だが苦戦を強いられている。

日比谷オクロジ(3月28日撮影)

 オープンは20年9月。コロナ禍により開業が3カ月延びた。しかも、本来49店が入れるはずが、35店にとどまっていて、テナントが埋まっていない。デベロッパーのJR東日本都市開発によれば、「個性的な店を集めた。そのため、地方の小資本の店ではコロナ禍に対応できず、撤退したテナントもあった」とのこと。

 地方でも売り上げが厳しい店が多く、出張もしにくいので仕方がない面がある。

 集客的に「東京宝塚劇場」や「東京ミッドタウン日比谷」からの人の流れを想定していたが、いずれもコロナ禍で多大な影響を受けており、沈静化まで待つしかないようだ。

 日比谷オクロジでは、飲食店は3分の2ほどで、物販の店も結構ある。ラインアップはなかなか面白く、名古屋の鰻専門店では知名度が突出した「うな富士」、めがねの産地・福井県鯖江市のメーカー品を販売する「さばえめがね館」などがある。

行列が絶えない日比谷オクロジの「天ぷら ワイン 大塩」

 唯一行列が絶えず、ひとり勝ちの様相なのが「天ぷら ワイン 大塩」。大阪発祥の天ぷらをワインで楽しむ店だ。海苔の天ぷらにいくらを乗せた「いくらカナッペ」や、揚げ立て天ぷらにチーズを合わせたメニューなど、美的に優れた料理が多く、女性に受けている。価格も単品200円くらいからあって手頃だ。1000円を切るランチメニューもあり、周辺で働くビジネスパーソンの利用も見込める。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.