5月19日、西武園ゆうえんちが「新しくて古い都市型エンターテイメント」として生まれ変わる。1960年代の商店街を中心に据え、日本発で海外から認知度の高いキャラクターを登場させる。
今までの「鉄道沿線遊園地」から大きく飛躍し「日本型テーマパーク」として、全国そして海外から集客する。コンテンツは整った。しかし、沿線外に訴求するには「あと2つの要素」が必要だ。
4月13日、西武鉄道、西武園ゆうえんち、刀の3社は連名で「西武園ゆうえんち」のリニューアル開館日を「5月19日」と発表した。施設、アトラクションの詳細、IPコンテンツとして「ゴジラ」「鉄腕アトム」「ジャングル大帝」の起用も紹介された。
従来の自社鉄道沿線の集客だけではなく、全国から集客したい。海外からも呼び込みたい。明確に商圏拡大を意図している。この改革は、旧態依然とした全国の遊園地に影響を与えるだろう。
この改革の背景には、大手私鉄が開業した遊園地の役割の終焉(しゅうえん)がある。かつて、電車に乗って行く目的地だった遊園地は、住宅地の拡大に飲み込まれ、施設は飽きられ、地価に対して利益率の低い施設になってしまった。もう遊園地は「鉄道沿線の遊び場」というだけではやっていけない。これまでに多くの遊園地は営業を終了した。
鉄道沿線遊園地の動向については、約1年前の当連載「としまえん閉園は寂しいけれど……鉄道会社にとって"遊園地"とは何か」で紹介した。この記事は「としまえん」の閉鎖が報じられた段階で書いたもので、西武鉄道の公式発表はなかった。
しかし6月にほぼ報道の通りに営業終了が正式発表され、8月に『 ハリー・ポッター』のテーマパーク建設が発表された。としまえんは8月末で94年の歴史を閉じた。
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