2月3日、全国紙をはじめとして「としまえん閉園」「跡地は東京都が大規模公園として整備し、一部は『ハリー・ポッター』のテーマパークに」という報道が飛び交った。情報源は「関係者」としか明かされず、それが株式会社豊島園か、親会社の西武鉄道か、その親会社の西武ホールディングス(HD)か、はたまた東京都かワーナー・ブラザースか分からない。
複数のメディアが報じているところから「西武と東京都とワーナーの交渉が進んでいる」は事実のようだ。ただし、ネットメディア「Jタウンネット」の問い合わせに対して西武鉄道広報部は「そもそも閉園やテーマパークができるという話も決まっていることではない」と回答している(参考記事)。NHKは、小池百合子都知事が記者団に対し「まだ交渉の段階だと思う」と述べたと報じた(参考記事)。
交渉は事実。しかし決定事項はなく、報道とは違う形で決着する可能性もあると思われる。としまえんについては、2010年に練馬区がプロサッカーチーム「東京ヴェルディ1969」の本拠地となるサッカースタジアム建設を計画し、水面下で交渉が行われたと報じられたが実現しなかった。
『ハリー・ポッター』のテーマパークを作るというなら、としまえんの園内に作ればいい。しかし、としまえんの用地については、東京都が1957年に「練馬城址公園」として都市計画を決定していた。都は2011年に「都市計画公園・緑地の整備方針」を公表し、あらためて「練馬城址公園」を東京都事業「重点公園・緑地」の「優先整備区域」に指定した。東日本大震災の教訓から「木造住宅密集地域に隣接した防災公園整備」が課題となっていた。
2010年の練馬区、11年の東京都の動きについては、西武鉄道の再生支援という見方もできる。西武鉄道は04年に証券取引法違反事件で上場廃止となり、06年に持株会社制によるグループ再編が行われ、再生途上であった。
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