このように問題多発のセブンだが、スタンスは終始一貫変わらない。それは、「セブンオーナーは独立した個人事業主」というものだ。自分たちはフランチャイズの本部として、パートナーであるコンビニオーナーに対して商品やサービスを提供しているだけなので、店舗で起きている数々の問題についてもその責任はオーナーにあって、セブンとしてはオーナーの手助けをする立場ですよ、というわけだ。
いかがだろう、ウーバーの配達員に対するスタンスとよく似ていないだろうか。
似ていて当然で、セブンに代表されるコンビニのビジネスモデルは、実はウーバーと共通点が多い。コンビニオーナーも配達員も、ブランドのロゴがデカデカと入った制服やカバンなどを渡されるが、そこに雇用契約はなく、独立した個人事業主である。だから、コンビニオーナーが開業資金は自分で用意しなくてはいけないように、ウーバー配達員も自転車やバイク、ガソリン代などはすべて自分で用意しなくてはいけない。
システムによって、仲間同士の厳しい競争があおられるのもよく似ている。先ほど、ウーバー配達員がより多くの報酬を得るために、配達依頼の奪い合いになっている現状に触れたが、セブンのオーナーも環境はよく似ている。
成長の根幹と位置付けるドミナント戦略のせいで、セブンのオーナーは苦労して開業した自分の店のすぐ近くに開業したセブンの店とも競い合わなければいけない。FC本部は、同一地域内にたくさん店ができれば地域のロイヤリティが上がって、売り上げも伸びるというが、実際はコンビニの数が増えるのでバイトの確保が難しくなり、人手不足で現場が疲弊する。このような「カニバリ」が、2019年に問題になった24時間営業問題や、オーナー過労死問題の遠因となっていたのは、多くのメディアが指摘している。
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