リモートワークで不正リスク増は避けられない! 経理部門が採るべき固定資産管理のシステム化の道筋とは

リモートワークの課題の1つが、作業が他人の目に触れにくくなるとともに、社内調査の迅速な実施も困難になることで、不正が生じやすくなることだ。特に、システム化が遅れている会計領域として川崎氏が警鐘を鳴らすのがExcelなどが多く駆使されている固定資産管理だ。

» 2021年04月26日 10時00分 公開
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 新型コロナの感染拡大への対応に向け、リモートワークの利用が企業の間で一気に広がった。だが、それに伴い作業が他人の目に触れにくくなるとともに、社内調査の迅速な実施も困難になることで、以前よりも不正が生じやすい状況が生じている。こうした中で内部統制の強化策の代表となるのが業務のシステム化だ。そして、そこで力を発揮するのが、プロシップのIFRS対応資産管理ソリューション「ProPlus」を中心とする製品群だ。

イメージ(写真提供:ゲッティイメージズ)

新型コロナ対応のリモートワークで増大する不正リスク

 新型コロナウイルスの世界的パンデミックと、封じ込めのためのロックダウンなどの措置により、2020年の世界経済は深刻な後退局面に陥った。各国のGDPは軒並み減少し、世界全体で3.3%減となり、日本に至っては4.8%減と大きく影響を受けている。

 そうした渦中での事業継続のために、企業で広く採用されているのが、社員を新型コロナの感染から防ぐための予防措置でもあるリモートワークだ。すでに通常業務をリモートワークに切り替えた企業も大手を中心に少なくない。

 だが、「リモートワークにより業務の不正リスクが増大することも理解しておくべきです」と訴えるのは、プロシップのシステム営業本部でマネージャーを務める川崎研吾氏だ。

プロシップのシステム営業本部でマネージャーを務める川崎研吾氏

 川崎氏によると、各種の不正行為が引き起こされる要因は3つある。不正行為を可能/容易にする「機会」、不正行為を誘発する「動機/プレッシャー」、そして不正を是認させる「姿勢と正当化」の3要因だ。近年ではいわゆるリーマン・ショック直後に会計不正が相次いだが、原因としてそれぞれ、システム管理外の処理、親会社からの強いプレッシャー、急速な景気後退による不正行為の是認などを挙げることができる。そのうえで川崎氏は次のように続ける。

 「当時と照らし合わせると、現状、外部環境の悪化という点で極めて類似しており、20年3月期における会計不正件数は、前年比1.5倍の46件に増加しています。ただし、当時と大きく異なるのがリモートワークの広がりです。作業に同僚の目が届きにくくなり、また各種の社内調査も物理的に難しくなることで不正の機会が拡大し、以前よりも不正が生じやすい状況となっているのです」(川崎氏)

手作業の固定資産管理に潜むリスクへの対処法

 経理部門では紙書類に起因する出社しての作業が求められ、現段階では機会リスクの高まりは見られない。だが、リモートワーク対応に向けたワークフローや電子印鑑の採用が広がっており、経理業務のリモートワーク化もそう遠くないと見込まれている。

 「そうなれば不正の機会は一気に拡大します。その時の備えとして、さらに全社の不正に目を光らせるためにも、内部統制強化の手立ての検討に今すぐにでも着手すべきなのです」(川崎氏)

 そのための効果的な策が、プロセスを自動化し恣意的な操作を排する業務のシステム化だ。データも一元化され確認作業も容易に実施できる。

 その点から、システム化が遅れている会計領域として川崎氏が警鐘を鳴らすのが、統一した管理が難しく、Excelなどが多く駆使されている固定資産管理だ。中でも不正リスクが高い業務として、「固定資産のグローバル管理」と「工事精算管理」を挙げる。物理的に本社の目が届きにくいこと、業務が属人化しやすく確認のための証憑(しょうひょう)を確保しにくいことが理由である。

不正の機会が拡大するなか、不正リスクが高い業務の1つが「固定資産のグローバル管理」だ。

 このうち、まず前者の対応に向けた第一歩となるのが、ERPなどのシステムのグローバル展開と、データの統合だ。ただし、そこで国ごとの会計制度の違いが課題となる。同一価値の固定資産であっても、国ごとに減価償却計算が異なることから、ERPシステムでの管理ができず、各国の現地パッケージ製品を利用している事例も多い。対応に向けた統一ルールとして国際会計基準であるIFRSが注目を集めるが、ローカルパッケージの多くはIFRSには未対応。また、IFRS対応の大手ERPパッケージでも、各国税制にまで対応しているものはいまだ皆無だ。

 そうした中での“現実解”として川崎氏が提案するのが、ERPパッケージと、プロシップが提供する資産管理ツール「ProPlus」の組み合わせだ。

 「ProPlusはIFRSとともに24カ国の税務計算にも対応しています。これを固定資産管理モジュールとして用いることで、ERPの個別カスタマイズよりも格段に安価かつ短期間にグローバル固定資産台帳を整備できるのです」(川崎氏)

スマホでバーコードを読み取り簡単に現物確認務

 ProPlusには資産管理を効率化するオプションも用意されている。その1つが、棚卸し作業での現物管理を抜本的に効率化する「ProPlusPit」だ。

 棚卸しは計画策定から台帳の作成・配布、現場での調査、結果と台帳との突き合わせ、修正までの管理部門と現場部門の手を必要とする煩雑な作業だ。対してProPlusPitではクラウド上に台帳を用意することで、台帳作成と展開の手間を大幅削減。併せて、台帳上の資産データとバーコードを貼り付けた現物とをひも付ける仕組みも用意することで、バーコードをスマホアプリで読み込むだけで突合、さらに集計まで実施できる。

 プロシップは13年からProPlusPitの販売を開始。以来、海外拠点での資産管理の厳格化を目指す企業から数多くの引き合いを集めてきたという。

 ProPlusPitのノウハウも豊富に蓄積され、省力化をさらに支援するICタグでの管理などにもすでに事例があるという。

 他方で、工事精算管理の内部統制強化で大きな力を発揮するのが「ProPlusSmart」だ。

 工場やビルなどの工事の際に用いられる「建設仮勘定」の管理に悩まされる企業は少なくない。竣工(しゅんこう)までには多数の業者に代金を支払うが、見積書を合わせると、分厚いファイルに何とか収まるほどになることもザラで、紙ベースであるため人手でシステムへの登録も求められる。加えて、共通費を資産や修繕、共通費などに振り分けるために経験やノウハウが必要で、業務が極めて属人化しやすいことが不正防止の観点からも問題視されてきた。

 ProPlusSmartは、紙の電子化とAIを使った文字認識(OCR)により、建設仮勘定業務の一連の業務を自動化し、これらの課題を抜本的に解消するものだ。具体的には次の4つの機能からなる。

項目に含まれる文字列を解析しAIが自動振り分け

 1つ目は、紙の請求書をOCRで読み取りデジタル化する「自動転記」機能だ。一般に、OCRでのデータの取り込みは特定フォーマットのみに対応することが多いが、ProPlusSmartではAIによりフォーマットを問わない読み取りを実現している。

 「OCRやフォントの種類などによっても変わりますが、社内検証では99.97%の読み取り精度を実現しています。また、『仮設工事』とその内訳である『養生費』『内部足場』など、別ページに分けて記載されている上層項目と細目を突き合わせての金額確認や、それらをサマリとして階層的に統合する機能も備えています」(川崎氏)

ProPlusSmartでは、業務のスマート化をワンストップで提供する

 OCRによる紙のデータ化により、リモートワークへの道筋を付けられることもメリットだ。

 2つ目が、読み取った文字列や金額などを、AI解析を通じて「共通費」「修繕費」「資本的支出」への「自動振り分け」する機能である。例えば、「撤去」「解体」「廃棄」などが含まれた項目は、過去の振り分けの傾向を踏まえて「修繕費」への計上を提案する。AIは事前学習済みだが、利用を通じて学習を続けることで、提案精度はさらに向上するという。

 3つ目が、共通費を経費である修繕費と資産となる資本的支出に自動的に振り分ける「自動配賦」機能だ。見積書の多さから配賦には手間暇を要するが、自動化を通じて作業効率化とミスの防止が可能になり、不正につながる恣意性も排除できる。

 4つ目が、3つ目の結果に基づく上層項目への「自動統合」だ。

 「完成後に固定資産として計上するには償却計算の方法を定義する必要がありますが、AIが学習結果を基に最適と見込まれる方法を提案して、ここでも恣意性を排します」(川崎氏)

ソフトを操作するだけでコメント付きマニュアルが完成

 不正を抑止するには、会社の行動規範や正しい業務のあり方などの周知徹底を通じて、社員に不正の気持ちを起こさせないことも重要だ。プロシップはそこで活用を見込めるツールも用意する。テンダとの協業により提供を開始した「ProPlusマニュアル作成ソリューション」がそれである。

 一番の特徴は極めて簡単にマニュアルやeラーニング用コンテンツが製作できることだ。マニュアルであれば対象ソフトを操作するだけで、ProPlusマニュアル作成ソリューションが操作画面や操作位置、操作内容を自動取得。操作内容を解説したコメント付きのマニュアルが、指定のファイル形式で出力される。操作するソフトの種類は一切問わない。また、eラーニングコンテンツであれば、PowerPointファイルを取り込ませるだけだ。編集により別途用意した音声を組み込むこともできる。

 「ProPlusマニュアル作成ソリューションを使えば、マニュアルやコンテンツを半分以下の工数で用意できます。その意義は不正防止だけにとどまりません。リモートワークでは疑問点を周囲に気軽に聞けなくなるため、各種の手順書やマニュアルを用意する必要がありますが、それらの作成にも活用できます。加えて、そこで定型業務が明らかとなることで、RPAやBPOによる効率化にもつなげられます。つまり、従来業務のあり方を各種のデジタルの力で見直すためのツールにも位置付けられるのです」

 新型コロナの収束がいまだ見通せない中、リモートワークの日常業務への定着は確実な状況だ。プロシップはProPlusを中心とする製品群で、企業の対応を支援する。

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提供:株式会社プロシップ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2021年5月18日