「ヤフーはまだまだ成長できる」 売上高1.2兆のZHD、2桁成長に意欲(1/2 ページ)

» 2021年04月28日 18時52分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 LINEとの経営統合を果たしたZホールディングス(ZHD)が、さらなる成長に意欲的だ。4月28日に行われた2021年3月期の決算発表では、「創業から25年経つ大きなヤフーだが、まだまだ成長できる」と川邊健太郎Co−CEOは意欲を見せた。

Zホールディングスの川邊健太郎Co-CEO

 21年3月期の売上高は前年から14.5%伸びて1.2兆円。2年連続での2桁成長だ。営業利益は6.5%増の1621億円だが、新たに重要KPIとしている調整後EBITDAでは2948億円と18.8%の伸びを見せた。調整後EBITDAとは、営業利益に減価償却費などを足し、非経常かつ非現金の取引を調整項目としたもの。

PayPay決済回数20億回、交通系ICに迫る

 ZHDが力を入れる事業の柱の一つ、コマース事業ではPayPayが好調だ。3月末に実施した大型キャンペーン「超PayPay祭」では、前回のキャンペーンに比べて取引高が57%増加。CVRは38%増、客単価は6%増など、各KPIが大幅に増加した。

 1-3月の決済回数は6億1559万回に達し、単純に割ると1分間に4750回もの決済が行われたことになる。昨年同期から1.6倍の増加だ。「3月単月は交通系ICカードに匹敵する決済回数だ」(川邊氏)という。

 結果、2021年3月期の決済回数は20億回を突破した。また加盟店数も316万カ所と1.5倍に、ユーザー数も3803万人と1.4倍に増えている。

PayPayの決済回数、加盟店数、ユーザー数

 金融事業では、傘下の銀行や証券事業について順次PayPayブランドに切り替えを進めており、連携強化が数字に表れてきている。クレジットカード取扱高は年間で2兆4281億円となり、直近4年間の年平均成長率は42.9%だ。ジャパンネット銀行から名称変更したPayPay銀行は、預金残高が1兆2168億円に達し、こちらも年平均成長率は17.5%に上っている。貸出金残高も2472億円と急拡大した。

PayPayブランドへの移行を進めているカード、銀行の数値

 川邊氏は、「PayPayの利用基盤を元に金融サービスを加速させていく。収益拡大の素地ができた。PayPayを中心とした経済圏を一層拡大していく」とした。

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