新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、足元の経済は各国とも大変な状況となっているが、実はこのコロナ危機が、時代の変化を一気に加速させる作用をもたらしている。
近年、AIに代表される新しいテクノロジーが台頭しており、10年後の社会は常識が一変しているとも言われている。脱炭素に関するテクノロジーも驚異的な進歩を遂げており、各国の産業構造は100年に1度の変革期を迎えている。本来なら、一連の変化は10年程度の時間をかけて推移するはずだったが、その予想を覆したのがコロナ危機である。
コロナ危機をきっかけに、各企業はIT化やAI化を一気に前倒ししており、企業のデジタルシフトが加速している。日本においても、あれほど嫌われていたテレワークが一気に普及したことからも、変化の大きさを実感できるだろう。あまりにも急激にデジタル化が進んでいることから、コロナ危機で景気が悪化しているにもかかわらず、ITには欠かせない半導体が全世界的に不足する事態となっている。
逆に言えば、ここで産業構造の転換に出遅れた国は、次の100年で致命的な事態に陥る可能性がある。高度IT社会にスムーズに対応するためには、巨額の先行投資が必要であり、国民のスキルアップも必須である。コロナ対策と次世代技術への投資、そして教育無償化や子育て支援がセットになる理由はここにある。
米国の規模と比較すると少ないが、欧州や中国も次世代技術への巨額投資を決断している。各国は苛烈な先行投資競争に突入しており、日本だけがその流れに完全に取り残されている状況だ。
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