「アメリカ生まれ、沖縄育ち」のアイスクリーム専門店「ブルーシールアイスクリーム」を展開するフォーモスト・ブルーシール(沖縄県浦添市)はこのほど、店頭販売向けのカップアイスをリニューアルした。従来の135ミリリットルから162ミリリットルへと内容量を20%増量。発売初日で「例年の1カ月分」の売り上げを記録した。
コロナ禍で沖縄を訪れる観光客数が激減する中、なぜ増量に踏み切ったのか――。その背景には、コロナ禍で沖縄や県民への思いを深め「県民のアイス」としての立ち位置を再認識したから出来事があったという。沖縄戦終結直後から沖縄の歴史と共に育ったブルーシール。コロナ禍の現在と今後のかじ取りの行方は。山本隆二社長に聞く。
同社の2019年の売り上げは約25億円だったものの、翌20年の売り上げは、ホテルや観光施設などで販売する「観光関係」が約4億円減、ブルーシール店頭販売による「店舗関係」が約3.5億円減の合計約7.5億円減となった。沖縄への観光客が新型コロナウイルスの感染拡大で激減し、もろに打撃を受けた格好だ。
山本社長は「19年の約25億円という売り上げは、沖縄の観光関係のみなさまのご尽力による観光客増の恩恵に預かっていただけだったんですよね。それを思い知らされました」と述べ、自社の置かれた現状に「実力以上だった」と冷静な評価を下す。
コロナ禍前の19年は、人口約150万人の沖縄県に約1000万人の観光客が訪れていた。単純計算で1日あたり約2.7万人が訪れ、仮に3日間滞在するとなると1日のべ約8万人、沖縄県にいる人の数が増えることになる。加えて、県外から来て観光で滞在する人々は、沖縄のアイスクリームであるブルーシールを楽しみたい人も多い。
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