価格は「そのまま」なのに、なぜ沖縄のブルーシールは「容量20%増」に踏み切ったのか発売初日で1か月分の売り上げ(4/4 ページ)

» 2021年06月01日 08時00分 公開
[長濱良起ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4       

カップリニューアルで年間6トン分の資材コストを削減

 今回のカップアイスのリニューアルは、SGDsの取り組みも同時並行で実現した。旧パッケージには厚みのある紙製のフタが付いていたものの、新パッケージでは紙製ヒートシールを採用。これにより、環境保全に寄与すると共に、年間6トン分の資材コストを下げ、その分内容の増量に回すことができた。

 さらに、沖縄のアイスクリーム・ブルーシールならではの取り組みとして、19年10月に正殿などが焼失した首里城の復興支援も行っている。初回生産分で1商品につき1円を「首里城基金」に寄付するというものだ。

パッケージには「首里城復興を応援」の文字が(出所:プレスリリース)

 山本社長があるコンビニに立ち寄った際、こんなものを目にした。陳列しているブルーシールのカップアイスの前に、お店の人自ら手書きしたであろうメッセージだった。「ブルーシールを食べて首里城再建を応援しよう」――。

 ブルーシールの企業理念は「アイスがもたらす笑顔のために」。「わったーアイス」がその役目を果たし続けるため、足元を固めて再スタートを切る。

著者プロフィール

長濱良起(ながはま よしき)

フリーランス記者。元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。

琉球大学マスコミ学コース卒業後、沖縄県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。

2018年、北京・中央民族大学に語学留学。同年から個人事務所「XY SUDIO」代表。記者・ライター業の傍ら、フリーのTVディレクターや音楽制作業でも活動する。1986年、沖縄県浦添市出身。

著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(東洋企画工房)がある。


前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.