新型コロナウイルス感染拡大を受け、沖縄県内23市町村の小中学校の休校が決定し、給食に食材を提供する卸業者や生産者にも影響が及んでいる。県酪農農業協同組合は1日約30トンの牛乳を学校に提供していたが、休校分はキャンセルになった。浦添市の青果仲卸業者は、1カ月前に発注した県外産野菜は取り消しできずに在庫を抱える。担当者は「売り上げは前年同期比の3分の1ほど減ってしまう」と危機感を募らせた。
牛乳
県酪農農業協同組合によると、今の時期は牛乳を1日に約50トン生産し、このうち約30トンは学校給食に提供する。休校で余った分は加工乳に変更する予定だが、取引価格は牛乳の半分以下になるという。「現在の感染状況だと、休校が延長される可能性もあり、農家の不安は大きい」と話した。
昨年、新型コロナの影響で全国一斉休校となった際には県と国が、牛乳から加工乳への変更で売り上げが下がった差額分を農家に補助した。県畜産課の担当者は「市町村によって休校日程が違うので、影響金額を精査中だ。組合への聞き取り調査も重ねていく」と説明した。
野菜
県内中南部の35以上の学校に野菜を卸す青果仲卸業者は、給食の売り上げが全体の3分の1を占める。県内産野菜は2日前に仕入れるため、休校決定でキャンセルした。県外産はすでに発注済みのため、取り消すことができず、在庫となる。
担当者は「コロナで飲食店やホテルのレストランは休業しており、出荷できない。スーパーへは同じように他の仲卸業者が出荷するため、価格は下落する」と声を落とした。
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