ユニコーン企業となったSmartHRは、どれほど規格外なのか?(2/3 ページ)
今回SmartHRが公表した資料の中でのキーとなるのが、ARRの推移を示したこのスライドだ。
規模感、成長力ともに圧倒的なSmartHRのARR
足元のARRでは45億円まで伸張しており、新興市場マザースで上場を行うことが可能な水準であるARR10億円を超え、同様の規模感を持つSaaS企業ではHENNGEやプレイドと肩を並べている。
SaaS上場企業ARRランキング
ARRの絶対額もさることながら、前年四半期ベースで100%を超える成長を見せている点が驚異的だ。現在のペースで成長を続ければ、2年以内にARR100億円の大台を突破する可能性が高く、過去の国内SaaS企業にはない圧倒的な成長であることが具体的な数値と共に明らかになった。
グローバルに成長を遂げるSaaS企業のキーワードとして「T2D3」という考えが用いられることがある。これは、ARR200万ドル(2億円)を突破後に、Triple、Triple、Double、Double、Double、つまり、5年間で72倍の成長ができれば理想的というコンセプトだ。
この成長ペースは、過去にSlackなどのグローバルSaaS企業が達成しているが、ドメスティックプロダクトであるSmartHRがこのような企業と伍してARRを伸ばしている点は、今までとは全く異なったスケールだ。
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時価総額が10億ドル(約1000億円)を超えていながら上場しない、いわゆるユニコーン企業が話題になって久しい。そこまでいかなくとも、IPOをゴールとせず、未上場のまま資金調達を進めるスタートアップが、国内でも増えている。
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国内SaaS領域で最高益を叩き出した企業がある。経費精算システム「楽楽精算」や電子請求書発行システム「楽楽明細」などのSaaSプロダクトを提供するラクスだ。5月13日に公表した2021年3月期決算発表では、売上高153億円(前年同期比32.6%増)、営業利益38億円(前年同期比232%増)と他社を圧倒する利益水準となった。
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