HRテックスタートアップのSmartHRは6月8日、事業戦略説明会を実施し、SaaS企業の実質的な売上高評価にあたるARRが45億円であることを明かした。前年同期から106.2%の伸びとなっている。
ARRは対前年で2倍の45億円に(SmartHR)
この額は国内企業ではKARTEを提供するプレイド(ARR51億円)や、HENNGEのHENNGE On(42億円)に匹敵しており、さらにこの規模としては成長率は極めて高い。
SaaS企業は、米国株式市場でのIPOの最低水準とされるARR100億円を意識することが多い。SmartHRは、設立からARR100億円までの経過年数のグラフを挙げ、世界的に名だたるSaaS企業と比較しても急成長であることをアピールした。現在は、カナダのショッピファイのARR成長ペースを上回っており、このままのペースが続けば2年程度でARR100億円に達するイメージだ。
また、現在3万社以上が同社のサービスを利用しているが、99.6%が継続利用している。「月次MRRベースで解約率は0.4%を下回っている」と宮田昇始CEOは話し、UIUXに対する顧客満足度は高い状況にある。
海外の有名SaaSと比べても成長率の高さが光る(SmartHR)
IPOを選ばなくなったスタートアップ
時価総額が10億ドル(約1000億円)を超えていながら上場しない、いわゆるユニコーン企業が話題になって久しい。そこまでいかなくとも、IPOをゴールとせず、未上場のまま資金調達を進めるスタートアップが、国内でも増えている。
ビジネスパーソンのためのSaaS KPI入門
ビジネス用語として定着した“SaaS”ですが、このビジネスを理解する上で欠かせないのが「SaaS KPI」と呼ばれる指標です。この記事では、SaaSビジネスにおいて、国内トップランナーであるfreeeの決算説明資料を基に、ビジネスパーソンが最低限押さえておきたいSaaS KPIの解説を行っていきます。
SaaS企業の時価総額はなぜ高いのか?
この数年、SaaS企業は新興企業向け株式市場マザーズのIPOにおいて大きな存在感を見せています。新興市場のけん引役ともいえるほど躍進をしたSaaS企業ですが、果たしてこの勢いは、21年以降も続いていくのでしょうか。
3年で2.4倍の売上高 ラクスのSaaS最強決算
国内SaaS領域で最高益を叩き出した企業がある。経費精算システム「楽楽精算」や電子請求書発行システム「楽楽明細」などのSaaSプロダクトを提供するラクスだ。5月13日に公表した2021年3月期決算発表では、売上高153億円(前年同期比32.6%増)、営業利益38億円(前年同期比232%増)と他社を圧倒する利益水準となった。
金融にSaaSモデルで挑むウェルスナビ 国内ロボアドで一人勝ち
ロボアドバイザーサービスを提供するウェルスナビが好調だ。預かり資産額は1年間で倍増し4025億円となり、一人勝ちという状況だ。実はウェルスナビの決算資料には、ARR、チャーンレートといった指標が並び、一般的な金融事業とは異なった表現がされている。これらは、いわゆるSaaS企業が好んで使うKPIであり、ウェルスナビは自社をSaaS的な企業だと位置づけているからだ。
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