YKK APは、電気錠一体型の玄関ドア「スマートドア」に、「顔認証キー」による施解錠や、専用アプリによりスマートフォンをカギとして使用する技術を取り入れた「新スマートドア」を発売する。同社によると、顔認証キーを戸建て住宅の玄関ドアに取り付けたのは業界初となる。
スマートドアは電気錠の機能をドアハンドルに一体化した「スマートコントロールキー」を標準搭載した玄関ドアだ。従来はリモコン型の鍵を利用して開錠・施錠していたが、今後は顔認証により、カギを持ち歩く必要もなくなる。顔認証キーは10月25日から発売予定で、YKKの代表シリーズ「断熱玄関ドア『ヴェナートD30』」から先行販売を開始する。
YKKでは2012年からスマートドアの発売を開始した。15年5月時点でYKKの玄関ドア全体に対する販売構成比は68%と手動錠(同32%)の2倍以上となった。今回の顔認証システム開発の背景には、コロナ禍での非接触ニーズや進展する住宅IoT需要に対応する狙いがあるという。
不正利用対策も施した。室外側に生態認証技術を搭載したカメラを設置することで、顔のダミーや写真による不正開錠を防止している。子供から大人までカメラが認識できるよう、取り付け高さは130センチに設定した。
また、YKKが行ったアンケートによると、玄関の施解錠に用いる機能として、顔認証を含む生態認証に関心を示す人が65.7%に上ったことが分かった。音声や静脈認証など特別な動作をすることなく、非接触で認証できる方法が好まれる傾向にあると分析している。
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