――(取材時点で)時価総額674億円、PSR(時価総額が売上高の何倍かを示した指標)もSaaSではfreeeにつぐ30.4倍と非常に高い評価を受けています。どのように受け止められているでしょうか。
長期的な成長への期待はまさに実感しているところです。バリュエーションなどについては意見を出す立場ではありませんが、現在の企業価値は長期での成長を見込み、足元でも高マルチプルを許容することができる海外投資家からの評価が大きいと思っています。
―― IRでの開示資料中、SaaS KPIの公表がかなり詳細に行われていますが、そのような背景ともかかわりがありそうですね。
IPOに当たっては旧臨時報告書方式で海外投資家からも調達を行いました。そのコミュニケーションに当たり、SaaS KPIの開示も海外SaaS企業などからのスタディを続け、当社が公表するIR資料の中でも多くの項目を開示するに至りました。
その甲斐(かい)もあり、海外投資家の強い関心の高まりを感じています(5月19日には英国の機関投資家クープランド・カーディフ・アセット・マネジメントが5.02%を取得した大量保有報告書を公表している)。
―― このような株価は高い成長期待への現れと考えられますが、今後の成長戦略をどのように考えていますか。
まずは既存の建設業向けの市場を取りつくす勢いで成長し、5年以内にはARR100億円を達成したいと考えています。
成長加速に向け、既存領域以外でも図面や写真管理を必要とするプラント建設領域など、このサービス価値を、(業界をまたぐ)ホリゾンタルに広げていく展開を進めています。
バーティカルSaaSは多様なニーズが際限なくあり、多くのプロダクト改善を行っていく必要がありますが、このようなユーザーの声と向き合うからこそ定着率が上がってきます。IPOで得た資金調達はそのような改善を行っていくため、ヒトに対する投資を積極的に行っていきたいと考えています。
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