かつて3Kと呼ばれた建設業の働き方をデジタルで変革しつつある企業がある。建築図面・現場施工の管理アプリ「SPIDERPLUS」を提供するスパイダープラスだ。
年初よりSaaS企業の株価が軟調な中で、2021年3月にIPOを行った。その後、同社の株価は堅調な推移を見せ、5月には時価総額が800億円を超えた(直近6月17日時点では674億円)。
「生産性の低さは下から数えた方が早い」と言われてきた建設業界に、スパイダープラスはいかにしてDXの風穴を開けることができたのか。
同社の知られざる成長戦略を、SaaS企業のデータ提供・分析を行う「企業データが使えるノート」運営アナリストが伊藤謙自社長に聞いた。
伊藤謙自。スパイダープラス代表取締役社長。建設資材商社営業、熱絶縁工事の施工管理を経て、1997年伊藤工業を創業。建設業界のIT化の遅れを自ら体感し、タブレット登場とともに建設業をターゲットにしたICT事業を開始。

【解説】バーティカルSaaS 国内でも盛り上がりの兆し
最近、注目を集めている“バーティカルSaaS"という言葉を聞いたことがあるだろうか。業界を問わず利用されるクラウド型のシステムは、部署や部門の課題を水平的にカバーすることから“ホリゾンタルSaaS"と呼ばれている。一方「建設」や「不動産」など、特定の業界に根付いた課題を解決するシステムは、垂直を意味する“バーティカルSaaS"と呼ばれ、徐々に認知が広まってきている。
ユニコーン企業となったSmartHRは、どれほど規格外なのか?
足元のARRでは45億円まで伸張しており、新興市場マザースで上場を行うことが可能な水準であるARR10億円を超えている。ARRの絶対額もさることながら、前年四半期ベースで100%を超える成長を見せている点が驚異的だ。2年以内にARR100億円の大台を突破する可能性が高く、過去の国内SaaS企業にはない圧倒的な成長力だ。
3年で2.4倍の売上高 ラクスのSaaS最強決算
国内SaaS領域で最高益を叩き出した企業がある。経費精算システム「楽楽精算」や電子請求書発行システム「楽楽明細」などのSaaSプロダクトを提供するラクスだ。5月13日に公表した2021年3月期決算発表では、売上高153億円(前年同期比32.6%増)、営業利益38億円(前年同期比232%増)と他社を圧倒する利益水準となった。
SaaS企業の時価総額はなぜ高いのか?
この数年、SaaS企業は新興企業向け株式市場マザーズのIPOにおいて大きな存在感を見せています。新興市場のけん引役ともいえるほど躍進をしたSaaS企業ですが、果たしてこの勢いは、21年以降も続いていくのでしょうか。
ビジネスパーソンのためのSaaS KPI入門
ビジネス用語として定着した“SaaS”ですが、このビジネスを理解する上で欠かせないのが「SaaS KPI」と呼ばれる指標です。この記事では、SaaSビジネスにおいて、国内トップランナーであるfreeeの決算説明資料を基に、ビジネスパーソンが最低限押さえておきたいSaaS KPIの解説を行っていきます。
IPOを選ばなくなったスタートアップ
時価総額が10億ドル(約1000億円)を超えていながら上場しない、いわゆるユニコーン企業が話題になって久しい。そこまでいかなくとも、IPOをゴールとせず、未上場のまま資金調達を進めるスタートアップが、国内でも増えている。
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