最近、注目を集めている“バーティカルSaaS"という言葉を聞いたことがあるだろうか。
セールスフォースやfreee、Sansanといった業界を問わず利用されるクラウド型のシステムは、部署や部門の課題を水平的にカバーすることから“ホリゾンタルSaaS"と呼ばれている。一方「建設」や「不動産」など、特定の業界に根付いた課題を解決するシステムは、垂直を意味する“バーティカルSaaS"と呼ばれ、徐々に認知が広まってきている。
ホリゾンタルSaaSとバーティカルSaaS
今年3月、マザースに上場した建設業向けの業務効率化システム「SPIDERPLUS」を提供するスパイダープラスも、バーティカルSaaS企業の1社だ。
同社は直近年度の売上高は20億円弱ながらも、現時点の時価総額は700億円となるなどトップSaaS企業と肩を並べるバリュエーション(評価額)が形成されており、バーティカルSaaSに対する期待が表れている。
なぜ今、バーティカルSaaSが盛り上がりを見せ始めているのだろうか。
この記事ではSaaS企業の分析・データ提供を行う「企業データが使えるノート」のデータを基にバーティカルSaaSを解説していく。
* 業界課題に特化したクラウドシステムは、米国などでは「Industry Cloud」といった呼称が一般的ですが、日本での一般的な認知度からバーティカルSaaSと表現しています。
ユニコーン企業となったSmartHRは、どれほど規格外なのか?
足元のARRでは45億円まで伸張しており、新興市場マザースで上場を行うことが可能な水準であるARR10億円を超えている。ARRの絶対額もさることながら、前年四半期ベースで100%を超える成長を見せている点が驚異的だ。2年以内にARR100億円の大台を突破する可能性が高く、過去の国内SaaS企業にはない圧倒的な成長力だ。
3年で2.4倍の売上高 ラクスのSaaS最強決算
国内SaaS領域で最高益を叩き出した企業がある。経費精算システム「楽楽精算」や電子請求書発行システム「楽楽明細」などのSaaSプロダクトを提供するラクスだ。5月13日に公表した2021年3月期決算発表では、売上高153億円(前年同期比32.6%増)、営業利益38億円(前年同期比232%増)と他社を圧倒する利益水準となった。
SaaS企業の時価総額はなぜ高いのか?
この数年、SaaS企業は新興企業向け株式市場マザーズのIPOにおいて大きな存在感を見せています。新興市場のけん引役ともいえるほど躍進をしたSaaS企業ですが、果たしてこの勢いは、21年以降も続いていくのでしょうか。
ビジネスパーソンのためのSaaS KPI入門
ビジネス用語として定着した“SaaS”ですが、このビジネスを理解する上で欠かせないのが「SaaS KPI」と呼ばれる指標です。この記事では、SaaSビジネスにおいて、国内トップランナーであるfreeeの決算説明資料を基に、ビジネスパーソンが最低限押さえておきたいSaaS KPIの解説を行っていきます。
IPOを選ばなくなったスタートアップ
時価総額が10億ドル(約1000億円)を超えていながら上場しない、いわゆるユニコーン企業が話題になって久しい。そこまでいかなくとも、IPOをゴールとせず、未上場のまま資金調達を進めるスタートアップが、国内でも増えている。
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