海外比較、国内ホリゾンタルSaaS企業との比較でもまだまだ発展途上であることが伺えるが、成長余地が大きく残されている状況という見方もされており、今後の成長に熱い視線が注がれている。
国内バーティカルSaaS企業として最大規模のARRを誇るインフォマートは、以前から海外投資家の注目度が高く、株主全体の52%が外国法人(外国人投資家)と、国内SaaS企業の中で最も高い水準となっている。
ロンドンを拠点とするクープランド・カーディフ・アセットはスパイダープラスの5%強の株式を保有した旨の大量保有報告書を5月19日に提出しており、IPO以後でも海外投資家の積極的な投資が見受けられる。
未上場企業においては、住宅などの施工管理システムを提供するANDPADが20年10月にCエクステンションラウンドとして20億円の出資を受けているほか、医療・介護モバイルICTを提供するアルムが56億円の第三者割当増資による資金調達を行うなど、バーティカルSaaSスタートアップへの投資も件数、金額ともに増加傾向にある。
「企業データが使えるノート」の集計では、21年の4月時点でバーティカルSaaSスタートアップ約80社の資金調達を確認(直近3年間)した。
上場を見据えるシリーズCラウンド以降のスタートアップも12社に上るなど、21年以降、バーティカルSaaS企業のIPOが続いていくものと予想される。
- ユニコーン企業となったSmartHRは、どれほど規格外なのか?
足元のARRでは45億円まで伸張しており、新興市場マザースで上場を行うことが可能な水準であるARR10億円を超えている。ARRの絶対額もさることながら、前年四半期ベースで100%を超える成長を見せている点が驚異的だ。2年以内にARR100億円の大台を突破する可能性が高く、過去の国内SaaS企業にはない圧倒的な成長力だ。
- 3年で2.4倍の売上高 ラクスのSaaS最強決算
国内SaaS領域で最高益を叩き出した企業がある。経費精算システム「楽楽精算」や電子請求書発行システム「楽楽明細」などのSaaSプロダクトを提供するラクスだ。5月13日に公表した2021年3月期決算発表では、売上高153億円(前年同期比32.6%増)、営業利益38億円(前年同期比232%増)と他社を圧倒する利益水準となった。
- SaaS企業の時価総額はなぜ高いのか?
この数年、SaaS企業は新興企業向け株式市場マザーズのIPOにおいて大きな存在感を見せています。新興市場のけん引役ともいえるほど躍進をしたSaaS企業ですが、果たしてこの勢いは、21年以降も続いていくのでしょうか。
- ビジネスパーソンのためのSaaS KPI入門
ビジネス用語として定着した“SaaS”ですが、このビジネスを理解する上で欠かせないのが「SaaS KPI」と呼ばれる指標です。この記事では、SaaSビジネスにおいて、国内トップランナーであるfreeeの決算説明資料を基に、ビジネスパーソンが最低限押さえておきたいSaaS KPIの解説を行っていきます。
- IPOを選ばなくなったスタートアップ
時価総額が10億ドル(約1000億円)を超えていながら上場しない、いわゆるユニコーン企業が話題になって久しい。そこまでいかなくとも、IPOをゴールとせず、未上場のまま資金調達を進めるスタートアップが、国内でも増えている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.