――「建設業」は非常に裾野が広い業種です。その中で「SPIDERPLUS」が対象とするのはどのような領域でしょうか。
「SPIDERPLUS」が利用されるのは「非住宅」と呼ばれる鉄筋やRCなどで作られる施設における建設現場です。オフィスビルや商業施設に加え、遊園地や水族館などの施設も含まれます。住居ではマンション建設のみが対象となります。
サービスの対象は、それらの工事の元請負者である「ゼネコン」、そしてメインターゲットはその現場で空調や電気設備、水道工事などを担当する「サブコン」と呼ばれる建設業者となり、その現場監督がコアユーザーとなります。
――「SPIDERPLUS」立ち上げの経緯はどのようなものだったでしょうか。
創業期、私たちは自身で断熱工事を請け負う建設業から事業を始めました。当時は図面を手作業で書き、見積もりを出すなどアナログかつ煩雑な作業があったため、これを自動化できる「Spider」というデジタルツールを自社開発しました。
断熱工事業者への販売展開を検討しましたが、対象企業数が少なく市場規模も限られるため、建設業界全体としての非効率分野を解消するサービスを検討し、図面・写真管理をデジタル化するサービス「SPIDERPLUS」を開発するに至りました。
――建設スタートアップとしてはANDPADの名前を聞くことも多いが、違いは何でしょうか。
ANDPADさんは戸建て住宅の施工管理を主な領域としています。私たちは非住居向けの図面、写真管理などを主軸としてきましたので、同様に建設業向けではありますが、すみ分けがなされている状況と考えています。
――「建設業」全体ではなく、その中でも非住居の設備工事を担うサブコンという対象に絞っているのですね。市場規模をどのように考えているのでしょうか。
現在「SPIDERPLUS」のコアターゲットとしている「従業員30人以上の従業員がいる戸建て・ハウスメーカー除く国内建設会社の現場監督」数にライセンスIDの単価をかけた数値をSOM(Serviceable Obtainable Market)としています。
この240億円はサービスの標準単価1IDあたり3000円で計算していますが、オプション機能などの単価向上の要因で、現在の単価は3616円ですので、すでにこの数値は300億円以上に拡大していると考えています。このコアターゲットに向けた市場だけを見てもサービスの付加価値を高めていくことでより市場を大きなものにできると見ています。
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