こんな一風変わった無人の古着店を運営するのが、岡本氏が16年に立ち上げたママハイだ。
「会社名の由来は、子どもがママを必要としたときに『ハイ!』と返事ができて、そばにいてあげられるという意味と、趣味も子育ても仕事も楽しく『ハイ』にやっていきたいという思いを込めています」(岡本氏)
当時、3人の子どもを育てていた岡本氏。フルタイムの仕事に就こうと思っても子育てがあり難しかった。趣味のテニスも続けたい。仕事と趣味と子育てすべてに全力で取り組みたいとの思いから在宅で仕事を始めることを決意。
古着が好きだったことから、岡本氏は古着ビジネスをスタートさせた。古着回収業者から古着を仕入れ、インターネットで販売する。同時に、ブランド力が弱い商品や、試着しないと購入に踏み切れないズボンや靴などを自宅のガレージで販売することにした。
「私が家にいるときはガレージを開放していました。呼び鈴を設置して、お客さんが商品を購入したいときに鳴らしてもらうシステムです。住宅街だったのですが、帰宅途中の人がのぞいてくれたり、近所の人が買いに来てくれたり、外国人も来店してくれたりしました」(岡本氏)
ネットもガレージでの古着販売も好調だったというが、なぜコロナ禍で新たに出店しようと思ったのだろうか。
「お店にモニターを置いて無人化すればリアル店舗を出店できて、ビジネスを加速させられるのではないかと思いました」(岡本氏)
武蔵村山の倉庫を借り、試作店として秘密のさくらちゃん1号店をオープンさせた。現在は、フランチャイズで展開しており、興味を持つ人がいればお店を開いてもらっているという。在宅で運営でき、人件費もかからないため主婦でも始められるのが強みだ。
現在は、5カ月で4店舗出店しており、8月には岩手県滝沢市に5店舗目をオープンする予定だ。以前から岡本氏と交流があった障害者福祉施設が運営を担う。リモート接客が主な仕事のため、障害を抱えていても、家にいながら社会と接点を持つことができる。雇用を生み出すことにもつながっているのだ。
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