経産省、28社を「DX銘柄2021」に認定 グランプリ企業は?各社の取り組みを紹介

» 2021年07月12日 18時10分 公開
[堀井塚高ITmedia]

 経済産業省は6月7日、「DX(デジタルトランスフォーメーション)銘柄2021」を発表した。グランプリを取得したのは日立製作所とSREホールディングス。また、2年連続で選定された企業は28社中、アサヒグループホールディングスやブリヂストンなどを含む13社となった。

経産省がDX銘柄2021を発表(画像:経済産業省「DX銘柄2021」より)

 日立製作所は、各成長分野×ITで新たな価値創造・相乗効果を生み出す体制構築のために事業ポートフォリオを見直したことが評価され、グランプリに選出された。また、データサイエンティストを集めた「Lumada Data Science Lab.」を設立し、オープンイノベーションの加速、DXをけん引するデジタル人材の育成を図るなど組織周りの改革も積極的に行った。

 DX銘柄評価委員会からは「自社でDXを推進する実験場を有している」「DXが変革のエンジンになっている数少ない会社の1つ」といったコメントが寄せられた。

データサイエンティストを集めた「Lumada Data Science Lab.」(画像:日立製作所公式Webページ)

 SREホールディングスは、不動産ビジネスから得られた知見やデータを蓄積し、実務有用性の高いAIソリューションツールを金融など他業界に提供している。また、ソリューションツールを提供する顧客から不動産取引に関するデータを共有してもらうことで、サービスアルゴリズムのアップデートを行い、AI(人工知能)の精度を高めている。今後は不動産領域以外のプロダクトも拡充し、多様な産業のDXを推進するAI SaaSプロバイダーを目指すとしている。

 DX銘柄評価委員会からは「AIなどのデジタル技術を積極的に活用し、多角化ビジネスをDXによって推進する姿勢を評価したい」といった声が寄せられた。

SRE HDが提供するAIソリューションツール(画像:経済産業省「DX銘柄2021」より)

 また2年連続で選定されたアサヒグループホールディングスは、DXを活用し、食の喜びや楽しさを最大化しながらも、食品ロスの低減など社会課題の解決にも貢献する取り組み「Food as a Service構想」を打ち出した。そのほか、Value Creation人材(DX人材)の採用や育成にも力を入れていくとしている。

アサヒグループHDは人材育成にも力を入れる(画像:ゲッティイメージズ)

 DX銘柄とは、DXを推進するための仕組みを社内に構築し、優れた実績を示している企業(業種別に最大2社)に与えられる。デジタル技術を前提としたビジネスモデルそのものの変革、および経営の変革に挑戦し続けているかどうかを選定軸としている。

 DX銘柄2021は、東京証券取引所上場企業(一部、二部、ジャスダック、マザーズ)約3700社を対象に実施した「デジタルトランスフォーメーション調査2021」の回答企業464社のうち、「DX認定」に申請している企業から選定した。

 選定プロセスは、選択式項目の回答および3年平均ROE(自己資本利益率)によるスコアリングを行う一次評価と、記述式項目の回答をDX銘柄評価委員が評価する二次評価で構成される。

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