では、日本ではどうなのか。ご存じのように、コロナ禍、日本の宿泊施設も大きな打撃を受けている。ビジネスホテルなどは時間貸しを行なったり、宿泊料をかなり安く設定したりして営業を続けている。
にもかかわらずに、民泊の中にはビジネスがうまくいっているケースがあるという。特に、一軒家を貸し出す民泊の場合は、逆に好調だったところもあった。
一軒丸ごと借りる民泊とは、どんなものなのか。5月に出版された『勝てる民泊―ウィズコロナの一軒家宿―』(山口由美/新潮社)を読んでみた。
この本では、旅を主なテーマにしているノンフィクション作家の著者が、箱根にある古い実家を改修して民泊として開業する顛末(てんまつ)から、コロナ禍でのビジネスの様子までを体験記としてまとめている。『世界で極める! 魅惑のバケーションレンタル』に出てくる派手な宿泊施設ではないが、日本の文化や生活に触れることができる一軒家貸し切りの民泊だ。
本にはこう書かれている。
「2019年7月に民泊を開業した私も、コロナ禍以降は、周囲から貧乏くじを引いたと思われていたに違いない。実際、インバウンドの予約が次々に消えていった頃は自分でもそう思った。
ところが、である。その後、わが家の民泊は劇的なV字回復をする。(中略)
従来のイメージである都市型の民泊は、新型コロナで廃業したところが多いのに、コロナ禍以降、新しいタイプの民泊は増えている」
コロナの感染が広がって、一時はインバウンド客が一気にいなくなったが、その後、宿泊客が戻ったというのだ。大きな理由の一つは、一軒家を借りて誰とも接触しなくてもいいからだという。本によれば、「予約からチェックインまですべてオンラインで、誰とも接触しない」ビジネススタイルだったために、多くの人が安心して借りることができたのではないかという。
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