1泊20万円超も コロナ禍なのに高級ホテルが続々開業するワケリピーター続々(1/5 ページ)

» 2021年04月28日 06時00分 公開
[瀧澤信秋ITmedia]

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、宿泊業の経営破綻や開業延期・中止などのニュースが続いている。訪日外国人旅行者の激減も主因となり、今期のホテルや旅館の経営破綻は74件(東京商工リサーチ/3月26日現在)で、飲食業・建設業に次いで多い水準となっている。経営破綻には至っていないものの、休業やホテルや旅館を売却するケースも枚挙に暇が無い。

 そのような中、新規開業が目立ち鼻息荒いのが“高級”といわれるホテルや旅館だ。そもそも高級宿とは何をもって高級とするのか、全国に5万軒超あるとされる宿泊施設だが、「高級宿」とカテゴライズできるのはどのくらいなのだろうか。高級の定義は個々人の印象という部分もありなかなか難しいが、高級宿について利用者のメルクマールとして身近なのが宿泊予約サイトだ。

 高級ホテルや旅館の予約サイトとして知られる「一休.com」で国内全体の掲載軒数を調べると5500軒超表示された。例えば、3月の繁忙日と思われる3月20日で、1人あたり3万円以上という条件で検索してみると全国で765軒が該当。素泊まりでの検索だったが2人で6万円、飲食を含めると10万円近くになる。実際、このところ開業した高級施設では10万円クラスの宿が際立つ印象がある。

 果たして勝算はあるのか、ある種ベールに包まれたそのような宿の実際はどうなのだろうか。

 全国の観光地、宿泊施設にとって首都圏は大きなマーケットといわれるが、東京からも気軽に行ける伊豆・箱根の宿は「高級」といわれる施設が目立つ。

ふふ 熱海 別邸「木の間の月」(以下、筆者撮影)
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