その後も度重ねて発出される緊急事態宣言。宿泊施設全体としても需要そのものが激減していったが、安心お宿が生き残りをかけたアイデアは意外にも“宿泊から離れたもの”であった。いわゆる「コワーキングスペース」としてのカプセルユニットの活用だ。
カプセルの上下を分ける棚を外してデスクを設え、カプセル外にはテーブル席も設置。“カプセルリノベーション”とも表せるだろう。コワーキングスペースのプロジェクトは、クラウドファンディングを実施し大きな反響を呼んだ。
一般のホテルでは、アパートメントホテルや長期滞在プラン、サブスクリプションといった住まうホテルが着目され、宿泊の概念が変容している。安心お宿でも定住プランが打ち出された。「カプ住」と名付け、4万円で30日間宿泊できるプランとした。従来からオールインクルーシブが特色のブランドと前述したが、含まれるサービスが驚きだ。
ごはんサービス(午前6時〜深夜0時/お茶漬け・生たまご・みそ汁付き)、フリードリンクサービス、洗濯洗剤(洗濯乾燥機の使用には別途料金発生)、タオル、充電ケーブル、マッサージチェア、雑誌、コミックなどの利用を含んでいるのだ。
従来の安心お宿のサービスがさらにブラッシュアップされている印象だ。前述したように、住居費、水道光熱費、食費も賄いつつ“月4万円で生活できてしまう”ことになる。極端な話ではあるが。
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