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» 2021年09月01日 05時00分 公開

総務が提供すべき「最高の顧客体験」 そのための3つのポイントとは「総務」から会社を変える(3/3 ページ)

[豊田健一,ITmedia]
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 最高の就業体験を総務が実現するために考えるべきポイントは、次の3つだ。

(1)多様性:時間と場所、属性に捉われず、自分らしく、多様な働き方ができること

(2)効率性:無駄な、非効率な作業に捉われず、やるべきこと、本業に特化できること

(3)創造性:心理的安全性の下、エンゲージメント高く、創造性が発揮できること


多様性:働く場所の他拠点化を整備

 まず、多様性については、働く場所の整備が最優先だ。

 コロナ禍により、働き方、特に働く場の多様性は格段に進展してきた。オフィスだけだったものが、在宅勤務が当たり前になった。一方、家庭環境により在宅勤務が難しければ、サードプレースも選べるようになり、その種類も、コワーキングスペース、シェアオフィス、レンタルオフィス、サテライトオフィス――というように、多くのバリエーションが生まれてきた。

 その上、最近ではワーケーションにも注目が集まる。ワーケーションに関してはさまざまな捉え方があるが、会社からより遠く離れていても仕事できる環境が整った、という点では間違いない。地方移住も進展してきており、募集要項に「勤務地不問」と記す企業も出てきている。繰り返すが、今こそ働き方の多様性を推進する絶好の機会なのである。

生産性の両輪「効率」「創造」を総務で実現するには?

 残る「効率性」「創造性」は、いずれも生産性を構成する要素だ。コロナ禍が到来する以前、働き方改革が全盛だった時期に、生産性に関する次のような言葉があった。

 「1時間当たりに作れるまんじゅうの数を増やすのが、技術的な意味での生産性上昇。 一方、世の中の変化に合わせて売れるまんじゅうを、新たに作り出すという生産性の上昇もある」――前者が、いわゆる効率性の向上に当たり、後者が創造性の向上に当たる。

 効率性の向上でいえば、デジタライゼーションがまさに該当する。特に最近はさまざまなクラウドツールの連携が充実しており、まさに、ワンストップサービスが提供できる環境が整った。

 例えば、これまでアナログだった業務をデジタルに置き換えられれば、クラウドツールを主軸としたワークフローに刷新できる。一度入力したら最後まで一気通貫で終わるような、そしてオフィスの中だけではなく、どこからでも申請できるような効率的なワークフローを実現できるのだ。無駄、非効率な作業に捉われず、本来やるべきこと、本業にだけ特化して仕事ができる環境をつくれるだけでなく、先の多様性の実現にも直結するだろう。

 創造性の向上を巡っては、ルーティンワーク、つまり単純作業から人間を解放し、考える喜びや創造する喜びを体験してもらう場を創造することが求められる。そのためには、働き方が多様であり、自らが最もクリエイティビティを発揮できる働き方を選択できること、そしてそうした働き方を実現できる効率化がなされていることが条件となる。

 多様性と効率性の向上、この2つが相まって、創造性の向上へとつながり、就業体験のレベルアップが実現できるのだ。会社から、「あなたはここで働きなさい」と指示されるのではなく、自律的に、自分らしく選択すること、そして、無駄な作業から解放されることで、働き手は、考える時間を確保し、創造的な仕事にまい進できる。

 なお、創造性の向上には、従業員同士の出会いの場をつくり、多様な人材が交わる仕掛けを施し、自由に議論できる場を提供していくことが求められる。コロナ禍で制約を受けた、リアルに出会って対話するという人間の本来の姿を、取りあえずはオンラインの場で、そしてアフターコロナに向けて、リアルの場でも構築していくのが、現在総務に望まれる最大のミッションだろう。

著者プロフィール・豊田健一(とよだけんいち)

株式会社月刊総務 代表取締役社長、戦略総務研究所 所長

早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルート、株式会社魚力で総務課長などを経験。現在、日本で唯一の管理部門向け専門誌『月刊総務』を発行している株式会社月刊総務の代表取締役社長、戦略総務研究所 所長。一般社団法人ファシリティ・オフィスサービス・コンソーシアムの副代表理事や、All Aboutの「総務人事、社内コミュニケーション・ガイド」も務める。

著書に、『リモートワークありきの世界で経営の軸を作る 戦略総務 実践ハンドブック』(日本能率協会マネジメントセンター、以下同)『マンガでやさしくわかる総務の仕事』『経営を強くする戦略総務』


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