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「菅首相辞任」から考える、「トップに向かない番頭」はどんな人かスピン経済の歩き方(6/6 ページ)

» 2021年09月07日 09時52分 公開
[窪田順生ITmedia]
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組織とは適材適所

 そんな実績のある人なのに、ここ最近のコロナ対策ですべてチャラになった。「仕事のできない人」の象徴のようにされてしまっている。ナンバー2や番頭としての功績がすべて消し飛んでしまったのだ。

 このリスクは、すべてのビジネスパーソンに当てはまる。組織とは適材適所だ。優秀な裏仕事師や、汚れ役として存在感のあった人物をいきなり表舞台に引っ張り出して、以前のような能力を発揮できるとは限らないのだ。

 「もしかしてオレもトップもなれるかも」と欲が出た番頭の皆さんは、まず自分が菅首相と同じような「汚れ役・嫌われ役タイプの番頭」ではないのか、ということから確認したほうがいいかもしれない。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。

 近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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