「パンケーキ食べている姿がかわいい!」「たたき上げの苦労人だから、きっとこれまでとは違う庶民目線の改革をしてくれるはず!」――。
なんて感じで、ほんの1年前にマスコミをあげてチヤホヤしていた「ガースー」こと、菅義偉首相が退任へ追い込まれてしまった。
「棒読みで心に響かない」「質問にまともに答えないで逃げる」などボロカスに叩かれて支持率が急落。一発逆転の解散も打てず、総裁選も勝てそうもないということで進退きわまった。自分で辞めた形だが、周囲から「クビ」を宣告されたようなものだ。
これを受けて、日本中のさまざまな企業にいらっしゃる「社長の右腕」の皆さんも、さぞガッカリされているのではないか。
菅氏といえばまず思い浮かぶのは、歴代最長7年8カ月間の安倍政権を官房長官という「番頭」として支えたイメージだろう。残念ながら今はもうその面影もないが、当時は政権の危機にも冷静に対処して、政策も官邸主導でゴリゴリ進めていたことから、「ミスター危機管理」「首相の懐刀」などと高く評価されていた。つまり、日本のトップを陰で支えてきた菅氏は「番頭界の星」という位置付けだったのだ。
当然、そんな菅氏がトップになって、日本全国の番頭の皆さんは、自分のことのように喜んだはずだ。しかし、わずか1年で辞任に追い込まれたことで、こう思ったのではないか。やはり番頭は番頭のままがいいのか、欲をかいて自分がトップになってはいけないのか、と。
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