ところで、オーケーは三菱商事との関係が深く、二宮涼太郎社長は三菱商事の出身。力石康一郎取締役も三菱商事出身。社外取締役の菊地清貴氏は、三菱商事の常務執行役員コンシューマー産業グループCEO(兼)リテイル本部長となっている。
他のスーパーでは、ライフコーポレーションの筆頭株主は三菱商事で、三菱商事の持分法適用会社にもなっている。ライフ代表取締役社長執行役員の岩崎高治氏は三菱商事出身である。
かつて、関西スーパーとライフは出店競争をしていた頃もあったが、ライフは関西だけでなく首都圏にも進出して、282店舗(21年4月現在)、年商約7591億円(21年2月期)に達している。
三菱商事の側から見て、ライフと同じような生鮮に強い食品スーパーは関西に2つ要らない。だから、関西スーパーがオーケーの提案を受け入れてディスカウンターになってくれれば都合が良い。三菱商事はローソンを子会社化しているが、そのローソンの子会社が成城石井。成城石井は関西進出が成功してもう関西に36店ある。関西のスーパーにおいて、高価格が成城石井、中価格がライフ、低価格が関西スーパーとすみ分けるのが望ましい。
オーケーは過去、関西スーパーに社員を派遣して、売場づくり、生鮮品の鮮度管理などを学んだ恩があるという。だから、オーケーが競合となって争うより、アライアンスを組みたいと呼び掛けている。
H2Oでは「恩をあだで返すようなものだ。それだけ資金があるなら、自分で店舗をつくったほうが早いのではないか」(同社・広報)と、突き放している。そもそも5年前にオーケーが関西スーパーの大株主に突如登場し、驚いた関西スーパーから相談を受けたのが、両社が経営統合するきっかけだ。
阪急阪神東宝グループ自体、06年に阪神電鉄が村上ファンドの買収提案を嫌い、積年のライバルだった阪急グループがホワイトナイトとなり、株式交換で統合した実績がある。
西友はウォルマートに買収されて、懸命に店舗改造したが、結局うまくいかなかった。消費者は西友の二の舞にならないだろうかと心配するかもしれない。
オーケーには、小売業世界一のウォルマートでもできなかった、一般スーパーのディスカウンターへの転換という実験的な試みがなぜ可能なのか。より具体的に説明してもらいたいものだ。
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。
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