中国のスマホ市場が最も動くのは、大規模なネットセールが行われる11月だ。繁忙期を控え、組み立て工場も工員募集を本格化。EMC大手のフォックスコン鄭州工場は8月、20万人を新たに募集すると発表した。
賃金が上昇し、若年労働者が単純作業を敬遠する傾向が強まる中で、計画通りに人員を確保できるかは、フォックスコンだけでなくアップルの業績も左右する。
このため、フォックスコンは入社3カ月が経った工員に2000元(約3万4000円)の交通費手当と、8500〜9500元(約14〜16万円)の報奨金を支給し、つなげ止めを図っている。
工員を紹介した既存従業員にも1200元(約2万円)の手当を支給し、さらには周辺地域と工場を送迎するバス100台を用意した。同社によると8月20日までに2万人がバスで面接に訪れたという。
早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で講師。2016年夏以降東京で、執筆、翻訳、教育などを行う。法政大学MBA兼任講師(コミュニケーション・マネジメント)。帰国して日本語教師と通訳案内士の資格も取得。 最新刊は、「新型コロナ VS 中国14億人」 (小学館新書)。twitter:sanadi37 。
シャオミが社員122人に「3億円」特別ボーナス、ファーウェイ失速で絶好調
中国のIT企業は、桁外れのボーナスを奮発することがある。最近は、ファーウェイの失速で漁夫の利を得ているスマホメーカーのシャオミが、1人当たり3億円を超える特別ボーナスを支給し話題になっている。中国のメガIT企業が何かの節目に特別ボーナスを支給するのは、珍しいことではない。
トランプ後も制裁継続、世界巻き込む半導体戦争へ<ファーウェイの現在地・上>
米中貿易戦争の象徴となった通信機器大手ファーウェイへの制裁から2年。5G、スマートフォンの両方で動きを封じられたが、同社製端末の内部には日本企業製の部品が多く使われ、制裁は日本も含めた世界の半導体不足をも招いている。米中でなお繰り広げられている攻防と、手足を縛られたファーウェイの生存戦略を全3回に分けて紹介する。
米国のWeChat禁止令で「ファーウェイが伸びアップルが失墜」の可能性
トランプ米大統領が8月6日、「TikTok」のバイトダンス、「WeChat(微信)」のテンセントとの取引を、9月下旬から禁止する大統領令に署名した。TikTokは想定内だが、サプライズなのがテンセントだ。WeChatがアプリストアから削除されれば、iPhoneの出荷台数は25%以上減少するとみるアナリストもいる。
英が一転5G排除、中国ファーウェイに迫る次の「Xデー」
7月14日、英政府が5G通信網からファーウェイを排除すると発表した。欧州各国はアメリカによる同社排除以降、中国との関係を深めたが、コロナ禍で悪化した対中感情などが背景にあると見られる。また同社は2020年前半の決算を、英政府発表の前夜午後11時すぎにひっそりと発表しており、カナダで拘束中の孟副会長の2度目の審理日「Xデー」が近いともされている。
Clubhouseに関わるAgoraとZoom、2人の中国系創業者の意外な接点
ブームは一段落したが、現在も順調にユーザー数を伸ばす音声SNS「Clubhouse」。当初は、海外SNSを制限する中国でもアクセスできたため、関係者が試し、論評し、模倣する結果となっている。またアプリの音声技術を提供する中国企業「Agora(声網)」と、Zoomの創業者の意外な接点も見えてきた。
バイトダンスとオラクルの説明にズレ〜 TikTokは米中どちらの企業なのか
中国バイトダンスのショート動画アプリ「TikTok」と、米オラクル、米ウォルマートとの技術提携案が今月19日、トランプ大統領の「原則承認」を受けた。しかし、バイトダンス、米企業2社の発表文のニュアンスにずれが生じており、TikTok新会社の立ち位置を巡り、憶測や波乱の芽を生んでいる。
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