株式会社RMロンドンパートナーズ代表取締役。キャリアとコミュニケーションの専門家として、芸能人や政治家の謝罪会見などをコミュニケーションや危機管理の視点で、テレビ、ラジオ、新聞等において解説している。大学や企業でのキャリア開発やコミュニケーション講座を全国で展開中。著書「謝罪の作法」他多数。
正確に言えば、就活は文科省ルールがあって、現在学部3年/修士1年の学生に対する会社説明会が堂々とできるのは年明け3月1日なのですが、「インターンシップセミナー」「キャリアセミナー」「先輩が仕事内容を語る会」等といった機会を通じて、企業の情報は一年中バンバン出回っています。
そんな説明会やセミナーにおける質問でよく聞かれるのは「社風」です。各種の就活学生意識調査等でも、「社風」「職場の雰囲気」はトップに来る関心事となっています。これだけいろいろブラック労働、ブラック企業が注目されていれば、これから社会人になる就活学生が働きやすさを重視するのは当然と思います。
ただ、「社風」って聞いてわかるものなんでしょうか? 社員10人の会社と1万人の会社ではそもそも職場といっても違いすぎます。多くの新卒学生が目指す大企業は数百から数万もの社員がいる訳で、その社風を聞き取ることは可能でしょうか?
村の住人が全員ウソしか言わないウソつき村と、正直に本当のことしか言わない正直村があり、質問をしてそのどちらの村人かを当てるというクイズがありました。
例えば説明会で「御社の社風は良いですか?」「御社の社風はどんなですか」と聞いた時、どんな答が返ってくるでしょうか?
すべての会社がブラックとか、ウソつきなどというつもりはさらさらありませんが、クイズであればウソつき村の人に「あなたはウソつき村の人ですか?」と聞けば、必ず「私は正直村の者だ」と答えるはず。もしその会社がブラックだとしたら? この質問自体が意味のないものだとわかりますよね。
つまり本当に問題のある社風や職場の会社には、そんな質問をしたところで正体はわからないのです。
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