10月15日、ドル円相場は114円を超え、2018年11月以来、約3年ぶりの円安水準となった。年初からは約10%下落した。インフレ懸念が強まり、米国の金利が上昇しているのが背景にある。
約3年ぶりの円安水準に突入(グーグル)
10月に入ってから、円は対ユーロでも下落している。1ユーロは132円50銭前後で、6月の水準だが、10月に入ってからは3%ほど下落した。
為替は2国間の金利水準の差で変動する。「米インフレ期待によって、米国の金利が1.58%まで急に上がってきている。これがドル高傾向を支えている」と、日興アセットマネジメントの神山直樹チーフ・ストラテジストは話した。
円安によって輸出企業の業績には追い風となるが、昨今価格上昇が続く石油などの資源の輸入にとっては打撃となるという指摘もある。
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