魅力度ランキングに群馬県知事が激怒! 「ランキング商法」の背景に、何があるのかスピン経済の歩き方(2/6 ページ)

» 2021年10月19日 09時32分 公開
[窪田順生ITmedia]

昔から存在している古典的な手法

 もちろん、同社は全否定。J-CASTニュースに対して、「この結果を基に、なるべくたくさんの地域が、その魅力度を高め、観光意欲度や居住意欲度を高めるための取り組みをしていただきたいと思っており、そのためにこの調査を始めたから、当たり前のこと」(J-CASTニュース 10月13日)だと反論している。

 ただ、このような「ランキング商法疑惑」に妙に納得してしまう方も多いのではないか。業界・業種によって違いはあれど、「ランキング」を用いた営業は、かなり昔から存在している古典的な手法だからだ。

県魅力度前年比較(出典:ブランド総合研究所)

 例えば、いきなり会社にワケの分からない市場調査レポートを送り付ける。そこには、多くのメディアも取り上げる顧客満足度ランキングなるものが掲載されていて、その会社の製品・サービスがかなり低い順位となっている。当然、経営幹部の耳に入れば「どうにかしろ」と大騒ぎになる。

魅力度平均推移(ブランド総合研究所)

 そこですかさず営業マンがやって来て、「もっと詳しく分析をした情報が見たければ、ここから先は有料となっています」と定期レポートの購読や報告書を売りつけるというパターン。そして、もう一つよくあるのが、セミナーやコンサルの営業だ。順位にダメ出しをしながら、「もしこの不満足な順位を少しでも上げたいのであれば、われわれの開催するセミナーに参加ください」あるいは「当社の専門コンサルタントがお手伝いします」という営業攻勢が始まるパターンだ。中にはもっと露骨に、「実はここだけの話、上位企業の多くはわれわれのサービスを使用しているんです」なんて「タネ明かし」をしてくる営業マンもいる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.