一方、オタクの主要分野であるアニメ市場とアイドル市場は、コロナ禍の影響を受け、21年度も厳しい状況が続く見込み。アニメ市場では、映画館など劇場への入場者制限による興行収入の伸び悩み、作品に連動したイベントの延期や中止など、事業面への影響も続いているためだ。テレビアニメの制作本数は前年度から増加する見込みであるものの「大幅な市場回復は見込めない」(同研究所)という。
アイドル市場についても、リアルのアイドル活動がコロナ禍以前にはまだ戻っていないとして「市場規模の回復は限定的」(同)とした。
こうしたことから同研究所は、21年度のアニメ市場を、アニメーション制作事業者売上高ベースで前年度比1.8%増の2800億円、アイドル市場を、ユーザー消費金額ベースで前年度比7.1%増の1500億円程度の回復とそれぞれ予測。「コロナ禍以前の状況に戻る見通しは立っておらず、限定的な回復にとどまる」との見解を示している。
ただ、日本のアニメ作品に対する国際的な人気は高い。米Netflix、中国テンセントやビリビリなど海外の動画プラットフォーマーが関心を高めており、独占配信などの直接契約・取引、資本提供や日本国内での制作スタジオの設立といった動きが相次いでいる。外出自粛で動画配信サービスのユーザー数が加速度的に増加していることなどから「動画配信事業は、国内外での拡大が見込まれる」とした。
その他、「同人誌」「ドール」「プロレス」「コスプレ衣装」「メイド・コスプレ関連サービス」「ボーカロイド」「サバイバルゲーム」の市場が縮小した。
調査は7月から9月にかけて、オタクにかかわるコンテンツや物販、サービス事業者などを対象に、面接、電話、インターネットなどで実施した。
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