オーナーの持株比率が高い企業として有名な、ウォンテッドリーの社長である仲暁子氏はゴールドマン・サックス証券を経て同社を創業したが、現在の持株比率は69.62%にもなる。同社の時価総額は188億円であるため、仲氏の個人資産は131億円という計算だ。
他にも、中島瑞稀氏、杏奈氏の双子が手がけるスマホゲームのcolyは、なんと両者で90%の持株比率を維持したまま上場に漕ぎ着けたことが市場参加者の間で話題となった。瑞稀氏も仲氏と同様に投資銀行出身で、起業前はモルガン・スタンレーMUFG証券のIB部門に勤めていた。
このように、株式実務の経験が豊富な金融業界出身のCEOが、高い持株比率を維持した状態で会社をスケールさせる判断に踏み切る例も増加している。このことからすれば、企業運営にあたって、株式での資金調達を安易に選択するのではなく、自社の業態などを勘案して適切な事業計画を練り、借入金による資金調達で十分ではないかを問うていく姿勢が必要となってくるだろう。
ちなみに、マスク氏はWFP(国連世界食料計画)が、飢餓問題を解決する正しい方法を提示すれば総資産の2%に相当する60億ドル相当のテスラ株を売却し、国際的な飢餓対策へ寄付する旨をTwitterで表明している。
ESGやSDGsといった持続可能性に近年注目が集まっているが、会社と創業者の資産に深い関連が生まれている現代においては、会社だけでなく創業者の社会問題に対する立ち振る舞いも注目されてくる要素であるといえるだろう。
中央大学法学部卒業後、Finatextに入社し、グループ証券会社スマートプラスの設立やアプリケーションの企画開発を行った。現在はFinatextのサービスディレクターとして勤務し、法人向けのサービス企画を行う傍ら、オコスモの代表としてメディア記事の執筆・監修を手掛けている。
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