気分・感情の項目を見ると、男らしさ規範を強く内面化しジェンダー不平等な価値観をもつ「マン・ボックスの中にいる男性(IN)」の方が、マン・ボックスの外にいる男性(OUT)よりも、ポジティブ感情が高くなった。(IN:23.1ポイント、OUT:20.2ポイント)
一方、ネガティブ感情(IN:22.0ポイント、OUT:18.9ポイント)や「何かをすることに興味や喜びを感じない」という無気力・無関心感(IN:52.4%、OUT:41.2%)も大きいことが分かった。伝統的な男らしさ規範を内面化することには、見返りと代償の両方があることがうかがえる。
そして、マン・ボックスの中にいる男性(IN)の方が、マン・ボックスの外にいる男性(OUT)よりも、リアルとオンラインの両方でいじめや暴力の被害に遭っていることも分かった。
この1カ月で他者からされたこと(18〜30歳)の項目を見ると、「いじられたり、からかわれたり、嫌いなあだ名で呼ばれた」と答えた人は、マン・ボックスの中にいる男性(IN)が57.0%だったのに対し、マン・ボックスの外にいる男性(OUT)は27.5%、さらに「身体的暴力を受けた」との回答はINが40.5%、OUTは7.1%と、大きな差が出た。
しかし同時に、いじめや暴力の加害者になったことがある人の割合も高いようだ。この1カ月で自分が行ったこととして、「いじったり、からかったり、嫌いなあだ名で呼んだ」人はINが51.7%、OUT20.1%、「SNSなどオンラインで批判的な投稿をした」と答えた人はIN37.8%、OUT8.9%だった。
調査は8月31日〜9月2日、全国の18〜70歳の男性3000人を対象にインターネット上で実施。プロムンドの調査同様、世界で共通して見られる代表的な男らしさの規範を、7つのテーマ(タフな振る舞い、固定的な性役割、攻撃性と支配など)と17のルールに分類。個々のルールにどの程度共感し、内面化しているかを測定して、スコア化している。
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