当初の商品は、モンゴルの大手商業銀行であるモンゴル貿易開発銀行(TBD)への貸付となる。総額2000万円、貸付期間は12カ月で、想定利回りは3%。
従来のクラウドファンディングとの違いは、大きく2つある。1つはこのような海外案件について、為替ヘッジを提供することだ。海外資産への投資は、為替レートの変動で損益が生まれてしまうが、これをヘッジすることで安定した収益を提供する。貸付先は、国内と海外で半々くらいを想定している。
2つ目は、Fintertechが自己勘定を使い、ファンドの成立に先立って貸付が可能だという点だ。通常クラウドファンディングは、投資家から融資を募り、目標金額に達して始めて成立する。ただし、これは貸付先にとっては融資が実行されるかどうか分からないという問題があった。
Funvestでは、Fintertechが自社の資金を使って先行融資も行う。これにより、貸付先の不安を低減する狙いだ。
「日本のクラウドファンディングは全体のパイが伸びる余地がある。その中である程度のシェアを取っていきたい。融資総額はトップサービスでも数千億円規模だが、4〜5年後には先頭企業に追いつきたい」と武田氏は言う。
maneoとSBIソーシャルレンディングという大手の失速で、ソーシャルレンディングという名称には傷がついた。同様の仕組みを使う各社も、敢えてソーシャルレンディングという名前は使わず、クラウドファンディングや貸付投資といった名称を使う。
またハイリスク・ハイリターンのイメージを払拭すべく、大手企業への貸付を中心とし、利回りを低く抑えるサービスが増加している。大和証券グループとセゾングループ傘下のFintertechが参入することで、この分野の活性化が期待される。
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