誰もが知っているような有名小売りチェーンでも、「どんなお客さんが店舗を利用しているのか」をしっかり把握していないケースが散見されます。今回は、そんな話をしたいと思います。
10年前、GMS(総合スーパー)を運営するある企業は、「自社のメインターゲットはファミリー層だ」ということに何の疑いも持っていませんでした。アパレルから食品、家具に至るまで30代ファミリー層向けの商品開発を行い、売り場の大部分を占めていました。しかし、アパレル部門の売り上げが振るわなかったため、その問題は商品力にあると分析。さまざまな新商品を投入しては古い在庫をセールで減らし、売り場の変化スピードを保つことに注力していました。
しかし、根本的な問題は他にありました。全店舗同じファミリーターゲットという設定が間違っていたのです。しかも、既存の来店客にシニアが圧倒的に多い店舗が何店舗も存在していたのです。
大量生産大量消費、全店同一のチェーンストアオペレーションの終焉(しゅうえん)は今に始まったことではなく、10年も前から顕在化していたのです。
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