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ブッダに学ぶ生き方改革! 「45歳定年」がささやかれる現代社会で必要とされる人材になるには大愚和尚のビジネス説法(3/3 ページ)

» 2022年01月11日 09時00分 公開
[大愚元勝ITmedia]
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 仏教には、自分を最大限に生かしながら、組織と調和するための秘訣があります。四摂法(ししょうぼう)と呼ばれる4つの教えです。

  • 布施(ふせ):与えること

自分から与えようとせず、会社からもらうことばかりを考える人は、能力も伸びませんし、嫌われてしまいます。知識、経験、能力、時間、笑顔、情熱……相手が求めていることを自分から与える人になりましょう。

  • 愛語(あいご):優しい言葉、慈愛に満ちた言葉を話すこと

どんなに優秀でも、口を開けば、怒り、愚痴、不満、棘のある言葉ばかり発する人は嫌われてしまいます。相手に対する敬意や思いやりの無い言葉は、人を遠ざけてしまいます。慈愛に満ちた言葉を話しましょう。

  • 利行(りぎょう):相手の利益になることを考え、実践すること

これを聞いて「そんなことを考え、実行したら、自分が損する」と感じた人は、利行を実践したことがない人です。利行は真理です。会社の利益を常に考え、顧客の利益を常に想像しながら仕事をする人は、必ず会社から必要とされます。

  • 同時(どうじ):相手の立場に立って、共に仕事に取り組むこと

「相手の立場に立つ」と言うのは簡単ですが、実践するのは簡単ではありません。なぜなら、私たちは自分の経験を通して、他の気持ちを理解するからです。同時を体得したければ、日頃から社内外のいろいろなことに興味を持って、積極的に体験を積むことです。

 いかがでしたでしょうか。一見、どれも聞いたことがある、知っているような内容だったかもしれません。しかし、「仏教の真理は、6歳の子どもでも理解できるが、80歳の老人でもこれを行うことは難しい」と言われています。そして、真理とは、「時代が変わっても、場所が変わっても、変わらない原則のこと」です。

 三法印と四摂法。この真理を一つでも理解し実践したならば、きっと、「70歳定年義務化だから仕方なく」ではなく、「70歳定年まで、どうか居て欲しい」と言われる人財になれることでしょう。

著者:大愚元勝(たいぐ げんしょう)

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佛心宗大叢山福厳寺住職。株式会社慈光マネジメント代表取締役。慈光グループ会長。僧名「大愚」は、大バカ者=何にもとらわれない自由な境地に達した者の意。駒澤大学、曹洞宗大本山総持寺を経て、愛知学院大学大学院にて文学修士を取得。 僧侶、事業家、作家・講演家、セラピスト、空手家と5つの顔を持ち、「僧にあらず俗にあらず」を体現する異色の僧侶。

HPにて「お悩み相談」を受け付けているほか、YouTubeチャンネル「大愚和尚の一問一答」で国内外から寄せられた相談にも対応する。著書『苦しみの手放し方』(ダイヤモンド社)、『最後にあなたを救う禅語』(扶桑社)、『人生が確実に変わる 大愚和尚の答え』(飛鳥新社)など。


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