多くの鉄道会社は、利用者に対して次々と新サービスを提供して、経営面についても新戦略を取ろうとしている。さまざまな会社で戦略性のなさやサービスの陳腐化が問題となり、その課題が解決できない状況が続いているが、鉄道会社は常に新しいことにチャレンジしている。
一方、その状況についていけない利用者もいる。
鉄道事業者がターゲットにすべき層とは(画像はイメージ)
多くのビジネスは、どんな層をターゲットにするかを定め、展開している。「イノベーター理論」では、新製品、サービスの展開を次の5つの段階で示している。
- イノベーター(全体の2.5%):革新者
- アーリーアダプター(同13.5%):初期採用層
- アーリーマジョリティ(同34%):前期追随層
- レイトマジョリティ(同34%):後期追随者
- ラガード(同16%):遅滞者
「イノベーター」「アーリーアダプター」「アーリーマジョリティ」「レイトマジョリティ」「ラガード」の順番で、あとになればなるほど保守的で、新サービスの展開に消極的だといわれる。
多くのビジネスが先進的な層にターゲットを定め、その層に対してサービスを展開している。しかし、そこから取り残された人も消費者として残り、不満を持つことが多い。
せいぜい「アーリーマジョリティ」層までにターゲットを絞れば、大抵のものは展開できてしまう。しかし、万人が使用するようなものは「ラガード」層まで配慮しないと、ビジネスとしての成功は難しいのである。
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