——金融業以外に一歩を踏み出しました。次の一歩はどういったところになるのでしょう。
ヴィリングでは小中学生が対象。これはかなり巨大な市場だと思うので、まずはこれをしっかり進めます。そしてグループとしては、教育以外に健康も大切だと考えています。
ジーネックスという、ゲノムベンチャーをインキュベートしました。難病患者の全ゲノム情報をブロックチェーンで管理して、その情報を製薬会社などに提供する。それで利益が出たら、もともとデータを提供してくれた患者に還元するというモデルです。
難病患者は、国から認定を受けて補助を受けないと治療を受けられないんですよ。何千万円もかかるので。恵んでもらわないとどうにもならない。でも、本当は難病患者の全ゲノム情報はものすごい価値があるはず。これをうまく使えば、自助の仕組みを作れるはずです。
またヴィリングに関しては、B2B2C的な展開も考えています。サステナビリティへの取り組みが求められる今、大企業も社会貢献的なことをやりたいという人がいます。一緒にやりませんか? と私が大企業に話をすると、今のところ全社「とても興味あります」と反応がいい。子どもの教育の質が上がるという話は、すべての人がそれはいいねとなるんです。
教育には環境が大切です。私は本だらけの家で育ちました。父が編集者だったので、壁中全部本棚だったんです。いま考えると、ルビが振ってある本を本棚の低いところに入れてくれたんでしょうね。幼稚園のころから勝手に引っ張り出して、いろんな本を読める。それで、すごく刺激を受けました。そういう環境があるといい。STEAM教育も、学びながらつくることが好きな子にはどんどん自由にやっていけるようにしていきたいと考えています。
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