2月からの値上げが明らかになった、スポーツ動画配信サービス「DAZN」。運営を手掛けるDAZN Japan Investment(東京都港区)が1月25日、月額料金の値上げを正式発表した。2016年8月のサービス開始以降、初めての料金改定となり、2月22日以降、月額料金を従来の1925円から3000円とする。同社は同日に開催したオンライン会見で「3000円は適正価格」と強調し、値上げについて「今後さらなる成長のために必要だった」と説明した。
同社の山田学エグゼブティブバイスプレジデントはサービス開始からの5年間を「サービス拡充に向けた準備や投資期間だった」と振り返る。詳細は明らかにしなかったものの「値上げに至っては、現在我々が提供できているライブコンテンツ、オリジナルコンテンツ、テレビ局の一部番組の配信状況など総合的に勘案した結果、3000円が適正価格だと判断した」とした。
ITmedia ビジネスオンライン編集部を含め、複数の報道各社からは値上げのタイミングや3000円の算定根拠などの質問が相次いだが、同社は「ユーザーからの意見は貴重なご意見と受け止めている。さまざまな意見があるが、現在のコンテンツに見合った料金にした。ご理解いただきたい」とのみ答え、詳細な回答を避けた。
2月からの新プランでは月額プランを1925円から3000円に、一括払いの年間プランを1万9250円から2万7000円にそれぞれ値上げする。年間プランは月額換算で25%安く提供する。2プランに加え、月額プランと年間プランを組み合わせたプランを新たに投入し、月額2600円(年額3万1200円)とする。同プランは月額換算で13%安いという。
同社は20年10月、欧州サッカー最高峰のカップ戦「チャンピオンズリーグ」(CL)と「ヨーロッパリーグ」(EL)の放送を、ユーザーに事前通知することなく終了。朝日新聞がDAZN側に問い合わせる形で同社が同大会の放映権を失ったと明らかになったが、同社はプレスリリースなどで正式発表しておらず、ファンの間で困惑が広がった。
値上げの件も含め、唐突な動きが多い同社。競合のスカパーは16年12月、DAZNにJリーグの放映権を奪われた際、自サービスのユーザーに対し、プレスリリースを通じて放送終了について謝罪した。ITmediaビジネスオンライン編集部は今後、コンテンツの配信終了について告知方法を改善する予定はあるかと質問した。
これに対しDAZN側は「常にプレミアムなスポーツコンテンツを提供できるように努めている。もちろん状況により終了してしまうコンテンツもある。その都度、番組表を参照してほしい」と述べるにとどめた。告知方法を改善する考えはないようだ。
料金プランを巡っては、サッカーコンテンツのみの視聴を求め、月額料金の引き下げを求める声や、一部ユーザーに月額980円で提供中の「DAZN for docomo」の今後を不安視する声がTwitterで散見された。編集部はコンテンツの切り売りや、同サービスの料金改定の可能性について質問したが、会見中に回答は得られなかった。
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