NFTとは英語で「Non-Fungible Token」のことで、その頭文字をとったもの。「Non-Fungible」は「替えがきかない」「唯一無二」という意味で、「Token」はその証明という意味になる。日本語では「非代替性トークン」と呼ばれている。代替できないということは、そのデータが複製できないものであると証明できる。
その証明をするのに、取り引きデータの改ざんができないブロックチェーン技術が使われてる。ブロックチェーンは暗号資産(仮称通貨)などで使われることで知られる。
デジタルデータなら簡単にコピーができてしまいオリジナル作品でも価値はなくなってしまうが、NFTではどれがオリジナルなのかを保証してくれる。実世界でも絵画で贋作などが存在するが、デジタルの世界では「本物証明」をブロックチェーンで行うのである。
冒頭のアート作品の競売についての記事では、フランスのAFP通信がNFTについてこう説明している。
「NFTとは、ブロックチェーン技術を用い、デジタル作品を唯一無二の所有可能な資産に作り替えたものだ」
こうした技術が発展していくと、例えば、ゲームなどバーチャル(仮想)空間の中で土地を購入するようなことが可能になる。ゲーム内の土地を購入してNFTで自分だけのものにすれば、その後に売買もできるようになる。そういう形でビジネスが広がる可能性も期待されている。仮想空間のメタバースでも同様のビジネス展開が期待されていて、利用者が増えれば土地などの価値も高まっていく。
テクノロジーのトレンドを次々と生み出す米国では、21年の初頭からこのNFTにからむ記事を頻繁に見るようになった。
そもそもNFTなる単語自体が、米国のトレンドともいえる。ただ、この言葉を見ただけでもなかなか意味が理解しづらい。知り合いの米IT関係者などは、「テック界隈はわざと外部の人がすぐに理解できないような言葉を流行らせたがる」と言っていたことがあるが、まさにその好例だろう。最近流行っているメタバースやWeb3(Web3.0:ブロックチェーン技術によって実現する分散型ネットワークのこと)なんて言葉もパッと見て意味は分からない。
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