まだ遅くない、いま「NFT」に注目すべき理由世界を読み解くニュース・サロン(4/5 ページ)

» 2022年01月27日 08時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]

新たな音楽業界の可能性も

 新たな試みをしているのが、ミュージシャンのダニエル・アランだ。コロナ禍でライブなどができず苦しい状況に陥っているミュージシャンは少なくないが、NFTを使って活路を見い出しており、そこで新たな音楽業界の可能性も見せつけている。

 同氏は自分のオリジナルの楽曲をNFTで販売。曲の著作権をある程度維持しつつ、曲ごとに数千ドルを売り上げているという。

 さらに、楽曲のロイヤリティの半分をクラウドファンディングで販売し、そこから得た資金で、レコード会社などの干渉も受けずに楽曲を制作している。

レコード会社を通さず楽曲をNFTで販売(画像はイメージ)

 米国では他にも、ラッパーなどが制作前にアルバムのロイヤリティの一部をNFTで販売し、ファンたちが購入しているケースもあり、それが制作費になっているという。またメガデスのように、ミュージシャンが関連のデジタル商品をNFTで販売しているケースも多い。

 現時点で、NFTが未来のビジネスを率いていく存在になるとは思わないが、新たなビジネスチャンスであることは間違いない。「どうせ一瞬の流行で終わるんじゃないの?」という声は米国でもあるが、今後、メタバースやゲームなどと融合していくことで、大きな可能性も感じなくはない。

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