まだ遅くない、いま「NFT」に注目すべき理由世界を読み解くニュース・サロン(5/5 ページ)

» 2022年01月27日 08時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]
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メタバースは「次のインターネット」になるか

 すでに述べた通り、メタバースの世界で言えば、土地を買ったり、アバター用の洋服を売ったり、シューズを購入したり、唯一性をもったさまざまなものが売り買いされるようになるはずだ。メタバースが「次のインターネット」になれば、こうしたビジネスチャンスもどんどん広がる。

メタバースは新たな市場を生み出すか(画像はイメージ)

 加えて、NFTはブロックチェーンの仕組みからも分かる通り、中央集権型ではない。22年以降、世界では「中央集権的」ではないものに注目が集まっていく可能性がある。

 例えば、先にも触れたWeb3という言葉は、GAFAなどインターネットを牛耳っている“権力者”らからインターネットを解放させてもっと自由な世界を広げようとする考え方だが、そういう活動が知られるようになってくるかもしれない。

 一部の国家や企業が世界を支配する現在の世界は、ブロックチェーンやNFTなど新しいテクノロジーが次々と誕生している世界と比べると、中央集権的で窮屈に感じるようになるかもしれない。

 新しいプラットフォームの中で、新たな価値観が生まれる。そんな可能性を秘めたNFTから目を離してはいけない。

筆者プロフィール:

山田敏弘

 ジャーナリスト、研究者。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフェローを経てフリーに。

 国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『死体格差 異状死17万人の衝撃』(新潮社)、『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)、『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)、『CIAスパイ養成官 キヨ・ヤマダの対日工作』(新潮社)、『サイバー戦争の今』(KKベストセラーズ)、『世界のスパイから喰いモノにされる日本 MI6、CIAの厳秘インテリジェンス』(講談社+α新書)がある。

Twitter: @yamadajour、公式YouTube「SPYチャンネル


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