テレビ番組の「1時間」は長すぎる? ネトフリやアマプラの年間ランキングから見えたものちょうどいい時間(1/2 ページ)

» 2022年02月08日 05時00分 公開
[金田有浩ITmedia]

 2021年、定額制動画配信サービスのユーザー数や視聴頻度は引き続き伸びました。リーズナブルな会費で、多彩な作品がいつでも見放題という特徴に加え、コロナによる在宅時間の増加が背景にあります。そして、その視聴ランキングを分析すると“ヒットのポイント”が見えて来ました。キーワードは「時間」です。

コンテンツを楽しむ適切な時間とは?(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

上位をアニメが独占

 エンタメ業界に向けたマーケティングサービスを提供するGEM Partners(東京都港区)は、「定額制動画配信サービス 視聴者数pt 2021年総括」を発表しました。

 Amazonプライム・ビデオやNetflixなど19の定額制動画配信サービスにおける、視聴者数ポイント(コンテンツを見た人の多さ)を集計したものです。21年におけるコンテンツ別の年間総合ランキングの結果は、1位が『鬼滅の刃』、2位が『呪術廻戦』、3位が『東京リベンジャーズ』でした。なんと、1位から11位までをアニメが占めました。

2021年はどんなコンテンツがよく視聴されたのか(出所:GEM Partnersリリース)

 1位の『鬼滅の刃』は、『週刊少年ジャンプ』とソニー・ミュージックエンタテインメントグループのアニプレックスが手を組んだ作品です。メジャー週刊漫画誌での連載→テレビアニメ化(テレビ局の系列を越えての全国展開)→映画化という流れを踏まえています。上位作品は皆、こうした“王道”の大型メディアミックス戦略(『東京リベンジャーズ』の映画は実写版)により大ヒット。その勢いと実績が、テレビオンエア時には視聴していなかったユーザーも巻き込み、定額制動画配信においても人気となって表れているといえます。

 ここまでで紹介したのは、原作があって、それをもとにメディア毎にコンテンツ(マンガ:雑誌→アニメ:テレビといった流れ)を生み出し、その相乗効果でヒットさせていくという「メディアミックス」の手法を用いています。この手法は、コンテンツ以外のジャンルで応用するのは難しいです。また、大規模に展開していくのはかなりの費用が必要となります。

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