トヨタ自動車は2月9日、2022年3月期の第3四半期(21年4−12月)決算を発表した。売上高は19%増加して23兆2670億円。営業利益は67%増加して2兆5318億円となり、増収増益となった。4−12月期としては過去最高益。
グループ全体の販売台数は12%増加の609万6000台と増加、うち電動車の比率は4.8ポイント増加し27.7%となった。コロナ禍からの回復は進んでいるが、コロナ前の19年4-12月の695万8000台まではまだ戻っていない。
販売台数はコロナ禍前に戻りつつある
22年3月期通期の見通しについては、従来855万台としていた連結販売台数を、825万台に引き下げた。トヨタおよびレクサスの生産台数でみると、前回の900万台から850万台に引き下げた。半導体の需給ひっ迫から、計21万台、また仕入れ先などのコロナ感染拡大によって14万台程度の影響が出ると想定している。
ただし、通期営業利益については、販売減の影響を為替変動による増益で相殺し、前回見通しどおりの2兆8000億円とした。
半導体不足とコロナ感染の影響が続く
連結販売台数は、トヨタおよびレクサスブランド車にグループのダイハツ、日野ブランド車を加え、中国合弁事業など非連結会社の分を除いたもの。
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