そうした中、ミルボンが進めているのがデジタル活用、DX(デジタル・トランスフォーメーション)だ。20年6月から始まった「milbon:iD」は、サロンで美容師から対面カウンセリングを受けたお客が、オンラインでミルボン商品を購入できるB2B2C型のECプラットフォーム。登録サロン件数は3254軒、会員数は約17万人まで増加した。
このサイトは通常のECサイトとは異なり、サロン専売のヘアケア・化粧品を扱う点が特徴。美容室でのカウンセリングという来店ありきの登録と、いつでもどこでも買えるオンラインの利便性を両立することで、サロン側、ユーザー側どちらにも寄り添う形となっている。
決算説明会での佐藤社長の話によれば、通常、店頭での客単価は4700〜4800円程度だというが、「milbon:iD」では約1万2000円と倍以上、さらに再購入率は68%にもなるという。また佐藤社長は「例えば5000サロンが、1サロン当たり200人のユーザーをつかんでくれたら、目標の(会員数)100万人に達する。リピート率が高く、単価が高い。そして100万人に達すれば、サロンさんも豊かになる」と展望を語った。
ミルボンはこのほかにも、美容師のセミナーやヘアコンテストといったイベントを開催するバーチャル空間「ミルボン デジタルアリーナ」の開設、美容師のオンライン学習ツール「エデュケーションiD」、トレーサビリティシステムの開発など、“サロンとともに成長する”という軸を持ったデジタル化を進める。
地域別売上高では海外が好調。米国が同94.9%増の9億500万円、中国が同40.5%増の21億4800万円、韓国が同33.5%増の33億9600万円で、売り上げ構成比も前年の16.4%から19.1%まで拡大した。
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