“恐竜”が出迎えるイトーヨーカ堂の新フロアが面白い! エンタメは大型商業ビジネスの切り札となるか磯部孝のアパレル最前線(2/4 ページ)

» 2022年03月31日 06時30分 公開
[磯部孝ITmedia]

地域ニーズに合わせた店舗構造改革の一端

 15年から事業および店舗構造改革に取り組んでいるイトーヨーカ堂は、当時184店舗あった店舗数を129店舗まで縮小させてきた(22年3月時点)。

 親会社のセブン&アイ・ホールディングス(HD)は、百貨店「そごう・西武」を売却する方針を固めており、百貨店事業からは撤退する計画だ。イトーヨーカ堂を擁するスーパーストア事業も直近の22年2月期第3四半期では、営業収益こそ1兆3370億円と前年同期比0.5%増だったものの、営業利益は101億円で同49.1%減と増収減益。

 百貨店・専門店事業のような赤字事業には陥っていないものの、「物言う株主」として知られる米投資会社バリューアクト・キャピタルからは、総合スーパーのイトーヨーカ堂の売却もしくは分離を提案する公開書簡が送られたと話題になった。

トイロパーク セブン&アイHDは、そごう・西武を売却する方針(画像提供:ゲッティイメージズ)

 こうした背景からも、既存の店舗構造改革の取り組みのひとつとして、トイロパークが生まれたのだろう。

 実はトイロパークの1号店は21年4月、「イトーヨーカドー大和鶴間店」(神奈川県大和市)にオープンさせている。21年4月のリニューアル時に、衣料品・住まいの品フロアを大幅改装。目玉のひとつとしてトイロパークを開設した。

 この大和鶴間店の隣には、「イオンモール大和」があり、両店舗で「大和オークシティ」を構成している。イトーヨーカ堂が推し進める既存店舗網の見直しから、あらためて商圏分析を行い、地域ニーズに合わせた店舗構造改革の一端として、子ども服関連売り場のリニューアルに踏み切ったとものと思われる。

イオンモール イトーヨーカドーとイオンモールが横並び(イオンモール大和公式Webサイトより)

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