東証、60年ぶりに市場再編 「プライム」など3市場に、狙いは?“東証1部”は死語に(1/2 ページ)

» 2022年04月04日 16時24分 公開
[ITmedia]

 東京証券取引所(東証)は4月4日、株式市場を再編し、新たな市場区分での取引を始めた。これまで大企業向けの「東証1部」、中堅・中小企業向けの「東証2部」「JASDAQ」、ベンチャーなど新興企業向けの「マザーズ」という区分があったが、これをグローバル企業向けで最上位の「プライム」、中堅・中小向けの「スタンダード」、振興向けの「グロース」の3市場にそれぞれ再編する。各市場の特徴を明確にすることで、海外からの投資拡大を促す狙いがある。

photo 東京証券取引所

 大規模な再編は1961年の東証2部開設以来、約60年ぶり。長らく大企業の代名詞であった「東証1部」では、2177社のうち約84%に当たる1839社がプライムに移行。スタンダードには1466社、グロースには466社がそれぞれ上場した。

photo 新区分に上場した企業の数(出典:東証の資料

3市場で上場基準明確化 それぞれの特徴は?

 東証は市場再編を進めた理由について「東証2部、マザーズ、JASDAQの位置づけが重複しているほか、東証1部についても、そのコンセプトが不明確」と説明。投資家にとって利便性が低く、海外からの投資が進まない遠因になっていた。

 そこで東証は新区分のうち最上位のプライムでは、株主数800人、時価総額100億円以上などの基準を明記。スタンダードでも株主数400人以上、時価総額10億円以上、グロースでは株主数150人以上、時価総額5億円以上などの基準をそれぞれ設けた。

photo
photo
photo 各市場区分の上場基準(出典:東証公式Webサイト
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.